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disappearance-消失-6/miss.K ページ7

内閣情報調査室付理化学研究所所長･･･

鏑木麗子は焦っていた｡

時間がない｡

新たに自分が見出した次世代型人類、『ニューチルドレン』の男の捕獲に、彼女が与えられた時間は三日･･･｡

男を捕獲し、全ての処理をするのに与えられた３日という時間は、彼女にとってあまりにも短かった｡

最初、彼を見つけたのは、友人に誘われて見に行ったあるテレビ番組の収録だった｡

鏑木麗子は所長と言ってもまだ28歳だ｡

友人がどうしても見たいと言っていたアイドルの番組の収録｡

たいして興味があったわけではないが、気分転換にと彼女は誘われるまま軽い気持ちで行くことにした｡

そこで彼女は見つけたのだ｡

強烈なベータ波動を発する人間を｡

目の前で器用にゲームをこなす華奢な男に、バッグに忍ばせてあったベータ波動の探知機が音を立てる｡

人目につかぬよう、彼女はバッグの中の探知機を見ると今までに見たことがない反応を示していた｡

｢振り切れてる･･･｡凄い！
こんなに強い波動を出しているニューチルドレンを見たことがない･･｡｣

彼女は注意深く目の前の男を観察する｡

笑顔で仲間と抱き合う男は、まだ自分が内包する力に気付いてないようだ｡

ならば好都合｡

我々理化研がこの男を捕獲し覚醒させる｡

彼らニューチルドレンは、『神』の影響から解放された次世代型人類であり、『入植』する神々と闘うための兵器となる｡

『神』がこの地球に『入植』する前に、一人でも多くのニューチルドレンを集めなくてはいけない｡

彼女はさっそく上層部に働きかける｡

その男を手に入れるために･･･

政府は国民から嵐に関する記憶を取り上げ、全ての記録を回収する｡

同じ、何人ものニューチルドレンの能力を使ってそれは実行された｡

しかし彼らの能力も万能ではない｡

彼らの能力が影響し、人々から嵐の記憶が消えていられるのはたったの３日｡

その間に男を捕獲し能力を覚醒させ、我々政府の支配下に置かなくてはならない｡

そして何事もなかったように全てを元に戻さなくてはいけないのだ｡

ふいに鏑木麗子の携帯が鳴った｡

｢はい｡そうです｡
ターゲットは同メンバーの大野智の部屋に入りました｡
これより二宮和也の捕獲を開始します｡｣

屈強そうな男を従えた鏑木は大野智のマンションを取り囲んだ｡