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tower of “BABEL”-20/O ページ46

｢いってぇ!!!
もうちょっと丁寧におろせやっ!!!｣

ニノの怒声にはっとしてボコボコになったアスファルトを見つめる｡

｢ニノより下敷きになってる俺の方が痛い｡
これ･･･俺がやったの？｣

まだ頭の芯が焼けるような感触が残っている｡

｢ニノじゃなくて？｣

返ってくる答えが何か解ってたけど、それでもそう言った｡

｢･･･オレじゃないよ｡
アンタだ････｡｣

｢･････アンタって言うな｡｣

｢そこ気にする？
じゃあ言いなおす｡
大野さんがやったんだよ、オレじゃない｡｣

その言葉をぼんやりとしたまま、聞いていた｡

アスファルトは無残にひび割れ、地面が隆起して舗装された歩道は使い物にならないぐらい壊れている｡

放射状にひび割れた中心にいる俺達に、通り過ぎていく人達は奇異な視線を浴びせていく｡

『何？あの人達｡』

『さっき上から落ちてきたように見えたけど』

『馬鹿!!上から落ちてきて生きてる訳ないだろ?!
きっと映画か何かの撮影だよ｡』

『きゃぁぁっ!!テレビなの？
ちょっとカメラ何処？？』

｢･･･平和ボケした国民性で助かるよな｡
まぁ、オレがあっちの立場だったらおんなじような反応してたかもしれないけど｡｣

苦笑いを浮かべながら立ちあがって、ニノは俺に手を差し伸べた｡

｢怪我はないでしょ？
いつまでもここにいられない｡
さぁ、大野さん立って、逃げよう!｣

｢うん･･･｡｣

優しく笑うニノの手を取って立ちあがり、前を向いて歩きだしたのと同時、ガツンと後頭部に鈍い痛みが走った｡

｢大野さん!!大野さん!!!｣

俺の名前をニノが必死で呼んでいる･･･｡

遠くなっていくニノの声を聞きながら、俺は意識を手放した｡