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tower of “BABEL”-17/O ページ43

引き裂かれた金網を掻い潜って俺とニノは赤い鉄骨伝いに歩く｡

眼下には車がミニチュアみたいに小さく見えて、下の方から噴き上がる風に体が持っていかれそうになる｡

｢さすがに･･･危ないよな｡
ニノ、気をつけろよ!!｣

｢･･･リーダーこそ気をつけて!!
落ちたらいっかんの終わりだ!!｣

さすがに･･･高い････｡

眼下に広がる景色は豆粒みたいで、俺達がどこにいるかを物語っていた｡

フェンスからちょうど死角になるあたりで止まり、鉄骨にしがみついて例のスーツ男たちの様子を探る｡

ズタズタに裂かれた金網を見つけると、携帯を取り出してどこかに連絡を入れてるみたいだ｡

何度も鉄骨部分を気にしながらも、男達は全員階下へと降りていく｡

｢やった!!アイツら引き返してくよ!!｣

｢シッ!!大野さん黙って!!｣

・

・

ニノが短く制止したのと同時、一人の男がこちらの方をじっと見つめている｡

横にいた仲間に何か言いながら、こちらを指差してじっと見つめている｡

････気付かれた？

･･･体中に凍りつくような恐怖が駆け巡った｡

次の瞬間、男は破れたフェンスに手をかけると、ゆっくりと鉄骨伝いにこちらに向かってくる｡

｢リーダー!!
マズイ･･･!!
アイツ･･･こっちに向かってくる!!｣

｢･･････････!｣

一歩一歩と男は俺達に近づいてくる｡

まだどこかあちこちに視線を配っていた男は、こちらを見てニィッと笑った｡

･･････完全に気づかれた｡

男は俺達を視界に捉えたまま、着実にこちらに近づいてくる｡

じりじりと追い詰められていくのを感じながら、

少しずつ少しずつ･･･

足場をずらして後退していく･･･｡

まずい･････

まずいまずい･････

これじゃ捕まっちゃう････｡

どうする･･･？

どうやってアイツらから

・

・

ニノを守る･･･････？

押し寄せる不安に潰されそうになるのを感じながら、ニノの方に振り向くと、

｢･･････えっ？｣

ニノの短い叫びと共にガクッと視界からその姿がぶれて消える｡

ふわっと木の葉みたいに空へ舞って泣きそうな顔で俺に手をのばす｡

｢ニノ!!!!!!!!｣

･･･足場を踏み外し、空に踊ったニノに俺は必死で手を伸ばした｡