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tower of “BABEL”-3/N ページ29

ガタン･･･ゴトン･･･

ガタン･･･ゴトン･･･

規則的な揺れが、オレを眠りへと誘う｡

さっきまで聞こえていた、たくさんの声が大野さんの肩に頭を預けた瞬間、とたんに消えてなくなる｡

あ････

この瞬間･････

この感覚が好き･･･｡

頭の中に無遠慮に侵入してくる声

赤の他人に頭を侵食されるような

吐き気を伴う嫌な感覚

それらすべてが

大野さんに触れた途端

かき消えて無くなるんだ｡

そして

他人の声に怯えきってた自分も消えて

本当の『自分』に帰っていく･･･｡

・

・

とくん･････

とくん･････

リーダーの鼓動と共に

今度は体温が自分の体に流れ込んでくる｡

温かさが･････

体を支配する･････｡

ふわふわした

ほっとするような温かさ････｡

さっきまでとは違う

幸福感でいっぱいになる｡

なんでこんなあったかいのかな？

流れ込んでくる体温を

なんでこんなあったかく感じるんだろう･･･？

・

・

････････････違う｡

流れ込んでくる体温を

あったかいって感じてる訳じゃない｡

この包み込むような温かさ｡

これは

体温じゃなくて

『心』だ｡

直接流れ込んでくる

大野さんの『心』を

オレは

こんなにも

あったかいって

感じてるんだ･･･････｡