confession-告白-7/N ページ26
｢そう･･･だけどさ｡｣
｢まぁ、俺達がいくらここで考えても答えは出ないさ｡｣
そう言ってリーダーは立ちあがって大きく伸びをした｡
｢なぁ････､アイツらも撒いたことだし、どっか行かない？
こんな路地裏でずっとしゃがみこんでる訳にもいかないでしょ？｣
リーダーはオレを見てニッと微笑む｡
｢大野さん、どっか行きたい所でもあるの？｣
｢んふふ、東京タワー｡｣
｢東京タワー？｣
｢せっかくみんなが俺達のことわかんないんだもん｡
この状況を楽しまなきゃ｡｣
｢ダメ？
今日平日だし、こんな中途半端な時間ならそんなに込んでもないと思うんだ｡
ねぇ、いいでしょ？
遊び行こ♪｣
キラキラした目で
おねだりしてくるこの人に
オレが抵抗できる訳もなく
結局のとこ、首を縦に振るしかできなかった｡
｢いいよ、別に｡
でもオレの車、リーダーのマンションの駐車場だ｡
それに財布も携帯もリーダーの部屋に置きっぱなしだし｡｣
｢それならホラ｡｣
リーダーは自分のパーカーのポケットを叩いて見せる｡
｢･･･よくあの状況で持ってこれたね｡｣
感心して言ったオレに
｢･･･財布は入れたまんま忘れてた｡
携帯もニノとの電話の後で無意識にポケットに入れたんだな｡｣
そう言ってリーダーは頭をかいた｡
｢それじゃ行こうか｡｣
リーダーは微笑んでしゃがんだままのオレに手を差し伸べる｡
｢じゃ、行きますか｡｣
オレも笑って差し出されたリーダーの手を握りしめた｡
大野さんの手を握ってオレが立ちあがったのを合図に、俺達２人は歩きだした｡
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作者名：あさり
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/list/a-ground/
作成日時：2012年3月8日 0時
