confession-告白-5/O ページ24
｢落ち着いた？｣
｢ん･･･ゴメン｡｣
膝に顔をうずめ暫く泣いていたニノがやっと顔をあげた｡
長い睫毛はまだ涙でぬれて瞳は真っ赤だ｡
それでも今まで隠していたことを俺に話してすっきりしたのか、それとも泣いてすっきりしたのか･･･
泣きはらしたニノの表情はずっと明るくなっていた｡
｢･･･大野さん、オレのこといつから変だなって思ってたの？｣
｢一ケ月ぐらい前から｡
だって明らかに暗いんだもん｡｣
｢じゃあ、オレが人の心読めるようになってすぐヘンだって思ったんだ｡
････まったく、アンタには敵わないな｡｣
｢んふふっ、そりゃ判るよ｡
もう、ずっと一緒だもん｡
････ねぇ、ニノ｡
今はまだみんなに話すの勇気が持てないかもしれないけど、落ち着いたら話してみたら？｣
｢･････うん｡｣
｢大丈夫だよ｡
ビックリするかもしれないけどみんなニノの味方になってくれるって｡｣
｢････わかった｡
少し落ち着いたら････話すよ｡｣
そう言うと微笑んでニノは俺にくっついて座っている｡
｢･･･最近さ、ニノってやけに俺と密着してない？｣
｢えっ？あぁ、コレ？
さっきさ、リーダーの心も読めるって言ったけど、本当はアナタの心の声はまだちゃんと聞いたことないの｡｣
｢えっ？そうなの？｣
俺の言葉にニノはゆっくりと頷く｡
｢凄く強く心に思ってくれれば何考えてるか読めると思うんだけど、今はどっちかっていうと、リーダーはオレにとって防御壁なんだ。｣
｢防御壁？｣
｢そう｡
オレ、リーダーに触れてると聞こえてくる心の声が聞こえなくなるんだ｡
リーダーに触れた瞬間、何かに遮られたようになにも聞こえなくなる｡
もちろん、触れているリーダーの声も聞こえてこない｡｣
｢今までまともでいられたのはリーダーのおかげだ｡
もしアンタがいなかったらオレ、とっくの昔にイカレてたかもしれない｡｣
そう言うとニノはゆっくりと俺にもたれかかった｡
｢こうしてると本当に『自分』でいられるんだ･･･｡｣
｢ニノ･････｡｣
俺に体を預けるニノは、心底ホッとした顔を見せる｡
｢まぁ、そういうことなら･･･｣
｢好きなだけ俺にくっついてなさいって｡｣
そう言った俺にニノは嬉しそうに笑って
｢うん･･･｡｣
て小さく頷いた･･･｡
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作者名：あさり
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/list/a-ground/
作成日時：2012年3月8日 0時
