confession-告白-1/O ページ20
｢リーダーは･･･
オレの何が聞きたいの？｣
ニノは 潤んだ瞳で、俺に聞いてくる｡
｢最近様子が変なんだもん｡
元気ないし、みんなとも距離とりたがるでしょ？｣
｢それにさっきだって、なんでアイツらが部屋に踏み込んでくることがわかったの？
ニノ、何か隠してない？｣
俺の言葉にニノは俯いて、黙ってしまった｡
それでも構わない｡
今日はニノがお腹の中にしまってあること全部吐き出すまで、引き下がるつもりはなかったから｡
俺は長い沈黙をニノがもう一回話し始めるまでじっと耐えた｡
どれくらい俺達の間に時間が流れただろう｡
意を決したニノがやっと口を開いた｡
｢リーダー･･･｡
オレのこと、気持ち悪がらない？｣
｢へっ？
なんで？
なんでニノのこと気持ち悪いの？｣
｢いいから!!
ちゃんと聞かせてよ!!!
オレのこと、気持ち悪がらない？｣
｢よくわかんないけど･･｡
ニノを気持ち悪いだなんてある訳ないじゃない｡｣
｢じゃあ、オレのこと嫌いにならない？｣
｢ならない(笑)
ニノのこと大好きだもん｡｣
｢オレの言うこと、信じてくれる？｣
｢信じるよ｡｣
｢疑わない？｣
｢疑わない｡
絶対に大丈夫だから(笑)
頼むからちゃんと話してよ｡｣
俺の言葉にニノは一度、大きく深呼吸をする｡
でもまた、不安げな表情で俺のことを見つめる｡
｢おかしいなぁ｡
ニノとは付き合い長いはずだけど、俺のことそんなに信用できない？｣
｢そうじゃない!!
そうじゃないけど････｡｣
少し考えてやっと腹をくくったニノが、震える声で俺に秘密を告白してきた｡
｢どうしてか･･･
わからない････｡
本当に･･･
わからないんだ････｡｣
｢ニノ？｣
｢オレ、最近急に他の人の考えてることや、心に思い浮かべてることが『声』として聞こえてくるようになっちゃったんだ｡
何を考えてるのか、どう思ってるのか････｡
たくさんの人の心が、頭ン中かき混ぜるみたいに容赦なく飛び込んでくる｡｣
体を震わせて、ニノは俺のパーカーの裾を握りしめる｡
｢大野さん･･･､どうしよう｡
オレ、スゲェ怖いよ･･･｡｣
俺にしなだれるニノの瞳に、涙が光っていた｡
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作者名：あさり
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/list/a-ground/
作成日時：2012年3月8日 0時
