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escape-逃亡-7/miss.K ページ18

内閣情報調査室｡

正式名称は内閣官房内閣情報調査室｡

略称は『内調』、『CIRO(サイロ)』とも呼ばれている｡

普通の生活をおくる人間にとってあまり馴染みのない組織に、私が所長を務めている理化学研究所は属している｡

もちろんニューチルドレンの存在は一般に公表されていないため、我々の理化研の存在は組織図にも記載されていない｡

内調は主に、内閣の重要政策に関する情報収集及び、分析、その他の調査に関する事務を行っている｡

簡単に言うと、この内調という部署に国家の機密が集まってくるということだ｡

情報収集衛星も有しており、光学衛星２機、レーダー衛星２機の計４機で決まった座標軸を撮影していることになっている｡

でも衛星の使い方なんて、表向きと違っていても国民の誰もわからない｡

そしてこの部署は、内調プロパー以外にも、警察庁、公安調査庁、防衛庁からの出向派遣者が多く在籍しており、その部署の特性を現している｡

つまり国家の秘密が集まるこの部署は、単なる事務屋部門ではないということ｡

国家転覆をはかるテロリズムと闘う部署や、国防を預かる部署からの出向者などただの事務部門に必要ないでしょ？

特殊な訓練を施され、常に危険と隣り合わせの人間が、現在嵐の５人を追跡している｡

赤児の手を捻るより簡単に、彼らを捕まえてくるだろう｡

そう高をくくっていた私に、一本の電話が入った｡

それは二宮和也を取り逃がし、目の前で彼と共に行動していた大野智が不思議な力を見せたとの報告だった｡

『それが追尾した本人が、現在全身打撲で病院に運ばれたんですよ｡
えぇ、命に別状はありません｡』

私の問いに電話の向こうの男は簡潔に答える｡

『ただ彼は、大野智の瞳が青く輝いたのと同時、何か大きな力が自分に加わり気がついたら壁に叩きつけられていた･･･そう報告してきました｡』

『鏑木所長、いかがなさいますか？』

男の問いに私ははっきりと答える｡

｢研究対象を広げましょう｡
二宮和也と大野智をすみやかに捕獲して下さい｡｣

そして電話の向こうの彼に付け加える｡

｢彼らは非常に高い能力の持ち主の可能性があります｡
慎重にことを運んで下さい｡｣

･･･私は根本から考え違いをしているかもしれない｡

電話を切った自分にある考えがうかんでいた｡