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escape-逃亡-3/O ページ14

投げつけたケトルから一斉に熱湯がこぼれ出す｡

･･･倒れても零れませんってのが、あの商品の謳い文句だったけどさすがに投げたら中身も出たな｡

そんなことを頭で考えながら、横目で男たちの様子を観察する｡

派手にこぼれ出した熱湯に男達が怯んだのを確認すると、俺はニノの腕を掴んでそのまま部屋を飛び出した｡

｢翔君!!みんな!!!｣

俺の行動にいち早く反応した松潤が、テーブルの上に置いてあったカップを男たちに向かって投げつける｡

投げつけられたカップは男たちに当たって、派手な音を立てながら粉々に割れていった｡

｢俺らも逃げるぞ!!!!｣

俺達は一斉に玄関から飛び出してそのまま走る｡

｢リーダー!!だめだ!!!
エレベーターのとこにアイツらの仲間っぽいのが見張ってる!!!｣

松潤の言葉に、俺達は非常階段から階下へと逃げた｡

走って

走って

駆け降りて･･･

やっと一番下までたどり着いたものの、階上から何人もの足音が聞こえて俺達をまだ追ってくるのがわかる｡

｢追ってくる･･･!
何が起きてるのかわかんないけど･･･｡
とりあえず二手に分かれて逃げよう!!!
おれと、相葉君と、松潤｡
智君はニノと逃げて!!!!
後で落ち合おう!!!｣

翔君の叫びに俺達は二手に別れる｡

｢来い!!!
ニノ!!!!!｣

そう言ってニノの手を取って逃げる俺に

｢追って!!
他の連中の記憶なんて後でどうとでも書き換えられるわ!!!
どんな手段を使っても構わない･･･｡
必ず二宮和也を捕獲するのよ!!!｣

背後で女の叫び声が聞こえた･･･｡