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escape-逃亡-2/O ページ13

目の前のニノは、何かに怯えて酷く怖がっている｡

青い顔で体を震わせて、

俺にしがみついて･･･

必死で｢助けて｣って懇願してくる｡

･･･どういうこと？

戸惑う俺に聞こえてきたのは、玄関のドアを蹴破るけたたましい音｡

｢来た･････｡
オレ･･･､掴まったら････
どうなるの･･･？｣

ぼんやりと力なく呟いて

ニノは俺に縋りつくその腕に力を込めた｡

何人もの足音と共に、部屋に入ってきたのは女一人と数名のごつい感じの男｡

女の方はセミロングのストレートで超美人｡

その顔には教養が溢れ、全体を冷たい雰囲気が纏う｡

それを取り囲むようにいる男達は、全員が長身でよく鍛えられた感じがスーツに身を包んだ体からでもよくわかった｡

｢･･あんた達、何なんだ?!
ここは智君ん家だぞ!!!
土足で勝手に入ってくんなよ!!!!!｣

翔君の怒声が部屋に響き渡る｡

それを無視するかのように、中心にいる女が言葉を発した｡

｢嵐の皆さん、お揃いですね？
皆さんにはこれから我々と一緒に来て頂きたいところがあるんです｡｣

･･･コイツら、俺達のことがわかる｡

確か、みんなの話じゃ会った人全員が、嵐のことも俺達の顔すらわかんなかったんだよな？

｢･･･来て下さいで、はいそうですかってこのシチュエーションじゃ言えねぇだろ？｣

松潤の言葉に、女は不敵な笑みを湛えた｡

｢手荒な事を･･･したくないので｡
素直に従って下さいよ････｡｣

女の言葉に俺の頭の中で警鐘が鳴る｡

目はこの妖しすぎる訪問者を捉えたまま、縋りつくニノにぼそりと呟いた｡

｢ニノは･･･コイツらが怖いの？
さっき怯えて俺に助けてって言ったのは、コイツらのせい？｣

力なく頷いたニノに、

｢後で事情、話せよ？｣

そう囁いて

俺はテーブルの上に置かれていた電気ケトルを、この妖しい来訪者達に思いっきり投げつけた｡