sin8 ページ8
A「殺人のあった現場で、執行官を同伴しないのは推奨しませんよ」
宜野座「……なんで来た」
A「以上の理由です」
宜野座監視官は足を止めてこちらを一瞥するが
またすぐに歩き出してしまう
私はその斜め後ろを付いて行った
宜野座「…俺は間違っているか?」
A「いいえ。確かに慎也くんの案は試す価値がある。だけど責任を負う立場として、状況証拠に基づいた行動以外を制限する事は重要かと」
宜野座「そうか…」
それきりお互い口を開く事はなかった
宜野座監視官が向かったのは
再び主任室
もう一度ドミネーターを使う交渉をしていたのだが
やはり郷田の答えは何度聞いても同じだった
郷田が犯人である可能性も示唆したが
本人は全く気にしていない
宜野座「……戻るか。後は狡噛たちがなんとかするだろう」
A「はい」
会議室へと足を向ける彼の後ろ姿を追いかけながら
ああは言ってもやはり慎也くんの案を
認めてはいたのだなと少し安心した
会議室の椅子に座り
大きな溜息を吐く宜野座監視官
私もその向かいに座って
彼の表情を読み取ろうとするが
長い前髪と眼鏡が邪魔でよく見えない
外からは何かを切り裂くような
大きな機械音が響いていた
宜野座「…お前はどうしたいんだ」
予期せぬ彼からの質問に
私はどう答えて良いかわからなくなる
A「私は…貴方の足枷にはなりたくない。貴方は貴方自身を大切にして欲しい。これ以上、貴方を困らせたくはないから」
宜野座「好きにしていい」
A「私は潜在犯。監視官とは一線を引くべき人間です」
宜野座「…わかった」
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いつご(プロフ) - 続きが気になります!頑張って下さい! (2019年8月2日 3時) (レス) id: 1a904e1a9d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:蒼月 | 作成日時:2019年3月20日 17時