保健室のシンデレラ【国見英】

Cinderella25 ページ26

国見「金田一。俺…イヤリングの持ち主、見つけた」


金田一「マジで！？」





次の日の朝練


金田一にそう告げた


持ち主は誰なのかと聞かれたけど
それは教えなかった









そして昼休み


授業が終わって席を立つと
廊下から女子の黄色い声が聞こえてきた





国見「及川…さん…？」





廊下へ出るとそこに居たのは
たくさんの女子に囲まれる及川さんだった





及川「ゴメンねぇ、みんな。今日はちょっと用事があるから、放っておいてくれる？」





そう言って人払いをした後
及川さんは俺に向き合った





及川「Aなら、今日は来てないよ」


国見「えっ…」


及川「国見ちゃん。ちょっと話…いい？」


国見「…はい」





及川さんに連れて来られたのは
この時間は誰も通らなさそうな体育館の裏


これはもしかして…ヤバイやつ…？





及川「A、今日は体調悪いんだって。昨日出歩いたから、疲れちゃったんだろうね」


国見「っ…スミマセ…


及川「…って言ってやりたかったけど、Aも楽しかったみたいだし、責められないかなぁ」


国見「…？」


及川「あ、気にしなくていいよ。インターハイとか見に来たときもそうだったけど、何かあると張り切っちゃって。必ず次の日は体調崩すんだよね」





そこまで言われて
気にせずにいられるかよ…！？





国見「…話ってそれだけですか？」


及川「いいや？…国見ちゃん、昨日Aに告られた？」


国見「……」


及川「アハハ、図星。…まぁ、昨日のA見てたらわかるんだけど」


国見「…釘を刺しに来たんですか」


及川「うーん。それも違うかな」


国見「……？」


及川「俺の可愛いシンデレラの話をしてあげようと思って」


国見「…はぁ」

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