保健室のシンデレラ【国見英】

Cinderella23 ページ24

少し会話して


沈黙が訪れて


また少し会話して





静かな道を二人で歩く


他に居るとすれば
通りすがりの野良猫くらいで


世界に二人だけ
取り残されたんじゃないかって錯覚に陥る


時々Aの方を見下ろせば
空の色と共にだんだん表情が暗くなっていく


きっと家まで近いのだろう









このまま時間が止まればいい









ふと頭の中に浮かんだ









今まで気づいてなかった感情





…いや


気づかないようにしていただけかもしれない









俺…多分





Aのこと









…好き









今まで彼女とか作るの面倒で


告白されても
誰とも付き合わなかった


部活に打ち込めればそれでいい





そう考えていた俺が





体が弱くて


ちょっと他とズレてるときがあって


…すっげぇブラコンで





そんな奴
絶対面倒くさいはずなのに


律儀に毎日会いに行ったりとか


こうして一緒にどこかへ行ったりだとか





ほんと俺らしくない


って思うけど





面倒だとは思わない





むしろ会いたい


離れたくないと思うようになっていた









なんか…無意識のうちに惹かれてたなんて
ちょっと悔しい気がする

Cinderella24→←Cinderella22

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す