保健室のシンデレラ【国見英】

Cinderella19 ページ20

店に着いて中へと入ると
Aは目を輝かせて店内を眺めていた





国見「ほら、どうする？」


A「メニューいっぱいあるね…！だけど今日は、キャラメルフラペチーノを飲みに来たの！」


国見「はいはい」





早速レジに向かったAだったが
注文しようとしたところで固まった


まぁ…理由はだいたいわかる





国見「フッ…ククッ……」


A「っ、笑わないでよ！」


国見「キャラメルフラペチーノのトール2つ。あと、キャラメルシフォンケーキも」


A「……」





そして2人分の会計を済ませようとすると
隣でAもあわあわと財布を取り出した





A「待って、英。私も…」


国見「…ここは払わせろよ」


A「なんで！？ちゃんと私の分は払うよ」


国見「あーもーうるさい。Aは席を取りに行って」


A「でも…」


国見「早く。ほら、後ろの人いるから」


A「……わかった」





Aを行かせて
改めて会計を進める


先ほどのやり取りを見ていた店員が
少し微笑んで言った





店員「彼女さん、可愛いですね」


国見「…違います」


店員「あら……ふふっ」





なんだよその含みのありそうな笑みは…


やがて注文したものを受け取り
Aの元へと向かった





A「ありがとう。…その、ケーキまで」


国見「そんな遠慮しなくていいだろ」





Aに一つずつ飲み物とケーキを渡すと
喜びは隠せないようで一瞬にして興味が移っていた





A「あ、見て。ここにFightって書いてある」


国見「え…」





Aのフラペチーノの側面に書かれた
”Fight♡”の文字


俺のも見てみると
”Have a nice day!!”と書かれていた


…絶対あの店員だ


俺に宛てられたのを
間違ってAに渡してよかった





国見「………」


A「英は？英のは、何て書いてあった？」


国見「…俺のはこれ」


A「良い日を、か。…なんで私は、Fightなのかな？」


国見「ちゃんと注文できるように、じゃない？」


A「うわぁ、恥ずかしー…」

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