保健室のシンデレラ【国見英】

Cinderella18 ページ19

A「うわー、バスに乗ったの初めて！」


国見「マジか…」





放課後


早速Aとバスに乗って
駅まで向かう


時間をズラしたおかげか
車内はほとんど人がいなかった


Aはこっち方面が家の方向とは反対らしく
景色が珍しくてずっと窓の外を見ている





国見「…小学生の遠足みたいだな」


A「私にとってはちょっとした遠足だよ！」





見ているだけで疲れる


と思う反面


こんなことで楽しそうなAは面白くて





国見「次降りるけど、押してみる？」


A「押す？」


国見「このボタン押したら、バスが止まってくれるから」


A「わかった」


車内アナウンス「次、止まります」


A「おお！」


国見「フッ…！」


A「っ、なに！？」


国見「やっぱり小学生」


A「〜〜〜っ！うるさい！」





それから少し言い争っていると
バスはすぐに停車した





国見「はい、降りるよ。Aちゃん？」


A「わかってる！」





バスから降りてすぐ近くのカフェへと向かう


後ろをついて来るAは先ほどと同じように
周囲の建物に興味津々だ


その反面この時間とは言えど
駅の周辺は慣れない人の多さに少し不安そう


後ろを振り返る度に離れていくAに
声を掛けた





国見「迷子になるよ」


A「う、うん。ごめん」


国見「…はぐれたら面倒だから」


A「っ、ありがとう」





俺より小さなAの手を取って
自分のほうへと引き寄せた


するとAは俺の腕にもう片方の手を添えて

少し恥ずかしそうな表情で
俺の隣をついて来たのだった

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