保健室のシンデレラ【国見英】

Cinderella17 ページ18

土日が明けて迎えた月曜日


昼休みに保健室へ足を運ぶと
いつも以上に嬉しそうなAがいた





国見「浮かれすぎじゃない？」


A「すごく楽しみにしてたんだもん！」





終始そわそわしていて落ち着かない


それくらいAにとっては
一大イベントのようだった





国見「授業終わったら迎えに来るから」


A「ありがとう！待ってる。…でも、学校を出るのは少しだけ待って貰ってもいい？」


国見「なんで？」


A「帰宅部の人も、部活がある人も、昇降口が人でいっぱいになるでしょ？…まだちょっと苦手で」


国見「ふぅん。だからいつも5時に帰ってるんだ」


A「うん。時間をズラして、人の少ない時間にお母さんが迎えに来てくれるの」


国見「毎日5時に帰るから、先輩がAのことを保健室のシンデレラって呼んでた」


A「シンデレラ！？ふふっ、大げさすぎ」


国見「だよな」





と言いつつ確かにAには
シンデレラに似ていると思うところがある


俺にとっては些細なことでも
Aにとっては憧れや願いになること


今日寄り道をすることも
Aにとっては憧れだった


そんな彼女は
一番にどんな幸せを願っているのだろうか…？





A「カフェっていろんなメニューがあるよね。何を頼むか迷っちゃうなぁ」


国見「今日も暑いから、フラペチーノとかは？キャラメルフラペチーノ好きそう」


A「キャラメルフラペチーノ…！」





その名前を聞いてより一層
瞳を輝かせるAを見ていると本当に飽きない


こんなことで喜んでくれるなら
笑顔の似合う彼女をもっと喜ばせたいと思った

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