保健室のシンデレラ【国見英】

Cinderella13 ページ14

及川「Aー！」


国見「うあ！？」


及川「あれ、国見ちゃん居たの」


岩泉「よう」


A「お、お兄ちゃん！一くん！」


及川「Aはどうしたの？顔赤いよ？しんどい？」


A「ううん、大丈夫！」


及川「本当に？無理はダメだよ？」


A「大丈夫だってば」





及川さんはAをぎゅっと抱きしめた後

熱はないか額をくっつけたりと
いちゃ…じゃなかった


とにかくシスコンっぷりを暴走させた


一方話を聞いて薄々感じてはいたが
Aのほうも相当ブラコンなようで


岩泉さんは幼馴染なだけあって
普段から見慣れているのか

もう十分だろうと判断したところで
及川さんをAから引っぺがした





岩泉「ほら、この前言ってた駅前のケーキ屋の、買ってきたぞ」


A「えっ、本当！？」


岩泉「開けてみろよ」


A「うわぁ…美味しそう…！あのお店、人気だから並んだでしょ？」


岩泉「昼休みが始まった瞬間にダッシュで買いに行ったから、そんなに待ってねーよ」


及川「岩ちゃん、最後の1個を鬼の形相で取りに行ってたもんね」


岩泉「うるせぇ」


A「本当にありがとう、一くん！」


及川国見「なっ…」


及川「俺も一緒に行ったからね！？」


A「お兄ちゃんもありがとう！」


及川「〜〜〜っ！！」





Aが嬉しそうに岩泉さんに抱きつく


不思議と俺も及川さんと一緒に驚いてしまった


Aの頭に手を乗せて
優しく髪を撫でる岩泉さん


あれ…
こっちが本来のあるべき兄妹の姿では…？





及川「こーらA！俺以外に誰彼構わず抱きつかないの！」


A「…なんで？」


及川「なんでって…。岩ちゃんがAに変な気でも起こしたら…


岩泉「Aは俺の妹でもあるようなもんだからなー」


A「ねー！」


及川「………」





まだ人との距離をわかっていないAに
及川さんも大変そうだ


俺も何故か心臓のあたりがもやもやする





A「食べていい！？」


岩泉「おう」


A「いただきます！……うわっ、美味しい〜！」





Aが嬉しそうに食べているのは
どう見てもキャラメル尽くしのオペラケーキ


こいつ…限度を知らねぇ……


だけどケーキを口にするAの表情は
今まで見た中で一番幸せそうだった





A「英も食べてみる？」


国見「えっ…」


及川「英！？」


A「はい、どうぞ」


国見「んぐっ…！」


及川「あ…あぁ…英ぁぁぁああああ！！！」

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