うちの彼氏が「ダークフォースエンジェルアルティメットなんたら」とつぶやいてる件について【luz】 (ページ3)

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なれそめは黒歴史。ページ3

追記:Aちゃんの名字は真白(ﾏｼﾛです

るすさいど。

一言でいえば、意外やった。

そこそこクラスでも皆に仲良くしてもらってたし、色んな人と話もしてて、だいたいどんな人か理解してるつもりやった。

よく思い出せば、真白さんと話したこと数回しかないかもしれん。

「それってもしかして、○○○シリーズのやつ？俺もここに来る前に思い出して買ってん！！」

「えっ…………みっ、見せて！！」

やから正直、隣になった時どうしようって困ったけど、話が一致した時は不思議と嬉しくなった。

もっと高校の時に話せてれば良かったのにって思った。

今思えばあの時何であんな行動をしたんやろ？

腕をつかんで引き留めるんとか、少女漫画の見すぎやろ。

周りの友達もちょっと引いてたし、何より彼女が一番びっくりしてた。

よくよく冷静になって、腕をつかんだ手を離す。多分顔は赤い。

彼女の顔も赤い。酒のせいで相乗効果。力が抜けたのか、また椅子に座った。

お互いの顔が見れずに黙っていると

「何お前ら仲良くなってんだよー！」

「るすやるなーおい！」

とか色々野次が飛んでくる。穴があったら入りたい。

落ち着くために、目の前の酒を少し飲む。彼女も大分焦っているのか、水を飲んで、お手拭きで手をふき続けている。

そんな感じで黙り続けていると、いつしか周りも酒の酔いのせいで、今の出来事を忘れて、また元の雰囲気に戻る。

タイミングを図るために彼女の方をチラチラ見つつ、話しかける。

「あっ、そのっ…………ごめんな。つい腕とか掴んだりして。」

俺の声に気付き、彼女も少しペコペコと頭を下げてくる。

「こちらこそ、騒いでごめんね。あとさ、ゲームに傷とかいってない？」

明らかに俺が悪かったのに、謝ってくる彼女の器に驚いた。

その日の俺は酒の飲みすぎだったのかもしれない。

「連絡、聞いてもいいですか？」

いきなりのことに驚きが隠せない表情が彼女の顔全面に出ていたが、小さく頷いた。

なれそめがこんなことだと、誰にも話せない。俺たちの黒歴史。