3 失恋の香り (TH) ページ3
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Aの手を最後に少しだけ握って、
俺は少しため息をつきながらその家を飛び出した。
『え…？』
驚く君の顔。
やっぱり気付いてなかったんだね、俺の気持ち。
…当たり前か。
気付かれる前に学校行かなくなったもんね。
だけど、このパーカーを貸したあの日から
また俺は君のことを忘れたくなくなっちゃって
少しはアタックしはじめてたとこだったのにさ。
「結局また忘れなきゃなんないのか…」
すっかり寒くなった帰り道、
返ってきたばかりのパーカーを羽織って歩く。
本当はバイトなんか今日はなかった。
そして本当はジミンのこと素直に応援して
綺麗さっぱり君のことどうでもよくなる自信なんてなかった。
むしろ公園に行くまではこれからは本気でジミンと張り合ってやるつもりだった。
…でも。
あの話を聞いた後で
諦めたくない、なんて言えないよ。
もちろんジミンのことだって裏切りたくないのも嘘なんかじゃなかったけど。
『私の親友がね、私の幼馴染が好きだって言ったの。』
『で、私応援するって言った。
だけど、本当は好きだったんだ。
…そいつのこと。』
君の言葉と今の状況が気持ち悪いくらい重なる。
Aの苦しい記憶。
思い出したら泣いちゃうくらいの記憶。
きっとこんな俺の話をしたら、
また記憶が重なりすぎてAが困ることなんかわかってたのに。
「…ごめんね、俺これ以上迷惑かけないよ。」
パーカーの袖を思いっきり引っ張って
そこに顔をうずめて立ち止まる。
なにやってるんだ。
俺、なにやってるんだ。
袖口から香るのは君と同じ香り。
でも俺にとっては多分、
これが失恋の香り。
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April(プロフ) - レイさん» コメントありがとうございます！ギャグからしばらくシリアスが続いてますが気に入っていただけると嬉しいです！ (2016年11月3日 20時) (
レス) id: f81d841b81 (このIDを非表示/違反報告)
レイ(プロフ) - (T_T) 切ない (2016年11月1日 20時) (レス) id: e934ae8dcb (このIDを非表示/違反報告)
April(プロフ) - ご指摘ありがとうございます！外しました！ (2016年11月1日 17時) (レス) id: f81d841b81 (このIDを非表示/違反報告)
ユッキーナ(*´▽｀*)(プロフ) - オリフラを外して下さい。 (2016年11月1日 17時) (レス) id: c8cc78dd36 (このIDを非表示/違反報告)
無表女 - オリジナルフラグ対象作品ではありませんので、オリジナルフラグを外してください。 (2016年11月1日 17時) (レス) id: fc371c2684 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：April | 作成日時：2016年11月1日 13時
