ふたり (ページ36)

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賑やかなバーベキューを終えた後は、部屋に移動して。

そのうちにワイワイとゲームなんかやり始めた。

誰かの提案で始まったのはマリオカートのトーナメント戦。

ちなみに夜勤明けのママはアルコールにやられてバーベキューの途中で寝室に向かった。

同じように多少缶ビールを飲んだらしいパパも大方の片付けを終えてから、昼寝すると2階へ上がっていった。

「ちょっとしんたろー？ねぇ待って？！」

「待たないよ、っと」

「うわ！また甲羅！邪魔ばっかしやがって！！」

「そういうゲームだから」

リビングのソファにおっきな高校生男子が寄ってたかって、ぎゅうぎゅう詰めでゲームしてる姿は見ていて微笑ましい。

今は慎ちゃんと北斗くんが対戦中で、明らかに北斗くんが劣勢だ。

「クソが！！」

最後には北斗くんが暴言を吐いて、コントローラーを投げ捨てた。

その様子を早々に負けてしまった陽奈ちゃんとさくらちゃんと笑いながら眺める。

寝てるママとパパには悪いけど、賑やかな声は一向に止む気配はなく。

チャンピオンに輝いたのは慎ちゃんで。

「優勝賞品何ー？」

「あるわけねぇだろ」

もちろん突然始まったゲームの商品なんてあるはずもなく、慎ちゃんのゴキケンな声は樹によって呆気なくかき消された。

〝えー〟と不満そうな声を漏らした慎ちゃんに答えたのはさくらちゃんだった。

「優勝賞品じゃありませんけど、そろそろケーキ食べません？」

「そうじゃーん！さくらちゃん手作りケーキ！」

「いやいや誕生日ケーキな？慎太郎のじゃねぇから」

「まぁまぁ固い事言うなって」

高地くんに注意されてるのなんか気にも留めない様子で、目をキラキラ輝かせてる慎ちゃんにクスリと笑みが漏れた。

「じゃあ持ってくるね」

「俺も行く。オマエら何飲むー？」

すかさず立ち上がった樹に、それぞれ〝コーラ〟とか〝オレンジジュース〟とか答えが返ってくる。

2人でケーキとジュースを手にしてダイニングテーブルに並べていく。

みんながわらわらと寄って来てテーブルを囲んだ。