35. (side Hokuto) ページ35
「…オマエら随分仲良くなったね。良かったじゃん」
そんな俺らのやり取りを黙って聞いていた樹がふと呟いた。
普段の樹ならギャーギャーうるさいくらいに文句でも言いそうなのに、かろうじて聞こえる程度の音量で。
�猯匹�ったじゃん�瓩覆鵑徳漢海修Δ六廚辰討覆気修Δ福�何処か寂しそうな樹の声。
視線を向ければ悲しげに微笑む樹がAを見下ろしていた。
いくら樹が重度のシスコンとはいえ、友達と話しているだけでそんなに？とこっちが驚くほど悲しそうで。
もしかしたらそれは、過去の火事だとかAの記憶がないだとかに関係するものなのかも知れないけど。
生憎俺には理解してあげられるほどの経験値もなければ、掛ける言葉も見つからない。
伺うようにじっと見ていると俺の視線に気付いた樹が、ハッと我に返った。
「…てか肉！！」
わざとらしく大きな声を上げる。
それに反応してAが慌ててトングで肉を裏返す。
「うっわ、焦げてんじゃん。北斗どうしてくれんだよ！」
「へぇぇ？俺ぇ？？」
そして先程と同じようにニヤニヤと頬を緩ませながら、樹が�爐諭次�北斗が肉焦がしたー！！�瓩閥�んだ。
「えーマジでー？！」
「DAHAッ！真っ黒じゃん！」
「うわぁ、北斗ナイわー。どうすんの？これー」
その声に寄ってきた慎太郎とジェシーはただ焦げただけの肉を見て大笑いし出すし、ヘラヘラする高地に責められる。
「俺じゃねぇよ！」
「でも大我くんの持って来てくれたお肉じゃなくて良かったですね」
さくらちゃんが謎のフォローしてくれてるけど。
「だから俺じゃねぇって！！」
「俺のだったら北斗としばらく口聞かないところだった」
「え、もともとそんなに会話ないですよね？」
京本の冷めた声に、陽奈ちゃんの的確なツッコミが入って。
みんなの笑い声が上がった。
視界に入ったのは、一緒になって大きな口を開けて笑ういつも通りの樹だったけど。
瞼の裏にあの悲しげな顔が何故だかしっかりと焼き付いた。
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作者名：メロン | 作成日時：2024年1月2日 20時
