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「はい差し入れ。肉とトマト」
宣言通り、約束より1時間早めにやって来たたいちゃんに渡された紙袋。
覗き込めば、さすがたいちゃん。
箱に入った高級なお肉とたいちゃんの大好きなトマトが入っている。
「わ、ありがとう」
とても高校生が食べれるレベルのものではないんだろうけど、ありがたく受け取る私の横をたいちゃんが我がモノ顔ですり抜ける。
「ママおはよー」
「おはよー大我。今日もイイ男ねー」
「んふ、ありがと。パパもおはよー」
「おー、おはよ。どうした？早くねーか？」
「手伝うって約束なのー」
「お、偉いじゃん」
「んふふ、でしょ？」
ダイニングで仲良くお茶していたパパとママと挨拶を交わしながら、ソファに一直線。
ボフッと盛大にスプリングを揺らして、そのまま身を沈めた。
その姿を見る限り、本当に手伝う気があるのかは謎。
「ところで大我さぁ」
「うん？」
「今日雨じゃなくて曇り予報に変わってるんだけど、」
「マジ？」
「部屋で鉄板焼きよりバーベキューの方が良いんじゃない？」
「俺はどっちでも良いけど、外の方がみんな喜びそう」
「じゃあやっぱりバーベキューにするか」
呟いてパパが立ち上がる。
「よし、じゃあ準備しよ。大我手伝って」
「え、もう？樹は？」
「樹もだよ。A呼んできて」
「あ、俺も行く！！」
「え。たいちゃんは待ってて」
「えー、なんで？」
たいちゃんが不思議そうな顔で首を傾げた。
なんでって…あんまり気持ち良さそうに寝てたから樹はそのまま私のベッドで寝てるからだ。
きっと自分以外の人が私の部屋に入ったら、いくらそれがたいちゃんでも怒ると思う。
それにパパとママの前で部屋で�爐�兄ちゃん�瓩�寝てるなんて言いにくい。
高校生にもなって未だに一緒に寝る事があるなんて、変な心配を掛ける気がして言えるはずなくて。
後を付いて来ようとするたいちゃんを断りきれなかった。
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作者名：メロン | 作成日時：2024年1月2日 20時
