3.(side Juri) ページ3
後から聞いた話だけど、当時記憶がない事を友達から揶揄われていて、幼いAには随分なストレスだったようで、毎晩そんなだったらしい。
それ以来俺は時々それに気付いて、眠い目を擦りながら、Aが寝付くまで手を握るようになった。
ママから�犲�に手を握ってもらうと安心するみたい。いつもより寝つきが良いの�瓩覆鵑童世錣譴舛磴辰董�
それが嬉しかったんだよね。
でも成長するにつれ、それぞれ別に寝るようになって。
今はもう年に数えるほどだし、心配掛けるから言わないで欲しいと言われていて、未だに時折こうしてAがうなされている事を両親は知らない。
だからってわけじゃないけど、Aを落ち着かせるのは俺の役目だっていつからか勝手に思っちゃってんの。
「…今日は一緒に寝るか」
独り言のように呟いて、ベッドに横になる。
「…手、繋いでくれる？」
「手だけで足りんの？」
「…足りない」
「んはっ、かわい。おいで」
可愛いお願いに手も繋げるように後ろから抱き寄せて。
Aの手を優しく握り締めた。
「なんかヤな事でもあった？」
「…ない。定期発作」
「言い方かるっ」
最近酷かったのは去年の春。
高校に入学したばっかの頃で。
新しい環境に慣れなくて、久しぶりに頻繁にうなされてて。
しばらく一緒に寝てたのはもう1年も前の事。
高校生にもなって兄妹で一緒に寝るなんておかしいって言われんのかもしんねぇけど。
それでAが落ち着くんなら別にそんな事はどうでも良い。
だってAは、俺にとって今も昔もたった1人の�狷段稔瓩世�ら──。
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作者名：メロン | 作成日時：2024年1月2日 20時
