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「友達の大事にしてる妹だし、1人で帰せない」
「そんな事したら北斗くんも散々文句言われちゃうから、大丈夫」
「…なんで？仲良いのはわかるけどさすがに文句は言わないだろ」
「そういう人なの！過保護が過ぎるから！」
「…あっれぇ？Aー？今帰り？」
改札口。
�狒�る�瓩醗�かない北斗くんを説得する私を呼んだ聞きなれた声。
視線を向ければ、笑顔のたいちゃん。
だけど隣にいる北斗くんを見て綺麗な顔が一瞬で険しくなる。
実はお兄ちゃん並みに過保護だったりする。
「……ソイツ誰？」
「お、お兄ちゃんの友達」
「……へぇ。2人で帰って来たの？樹知ってんの？」
「北斗くんちもここが最寄だから。ぐ、偶然。そう！偶然一緒だっただけ！」
「……ふーん。北斗くんねぇ」
呟いて薄っすらと笑顔を浮かべるたいちゃんが怖過ぎる。
もちろんたいちゃんが何者なのかわからない北斗くんは、不気味に微笑むたいちゃんと私を見比べて困った顔。
「ごめんね、北斗くん。俺、Aの幼馴染だから。あとは引き受けるし帰って？」
「…そうなの？」
「うん、そう。幼馴染のたいちゃん。ジェシーくんも慎ちゃんも高地くんもみんな知ってる」
「…なら残念だけど、今日はここで」
「うん。ありがとう」
「良いよ。またね」
「うん。またね」
小さく手を振ってくれる北斗くんに、隣から痛いほどの視線を感じながらも手を振り返した。
「偶然会った感じじゃないんだけど？」
「そ、そんな事ないよ？」
「じゃあ、樹に言っても良い？」
「絶対ダメ！」
「…悪い子だな」
「でもさっきまでお兄ちゃんと一緒だったから」
「それは関係なくない？幼馴染の俺は2人で一緒に登校するのも許してもらえないのに、たいちゃん妬いちゃうなぁ」
「ごめんてばぁ」
「んー、じゃあ…これで許してあげる」
�爐呂き瓩般椶料阿忘垢圭个気譴紳腓�な手。
手を繋げって事かな。
一瞬迷ったけど素直に自分の手を重ねると、満足そうにたいちゃんが微笑んだ。
「樹には内緒ね」
悪戯っ子みたいな顔をして、ウィンクが飛んでくる。
やっぱり女の私よりよっぽど綺麗だ。
見慣れた景色の中、ルンルンとご機嫌に鼻歌を歌うたいちゃんと繋がった手が揺れる。
見上げた空はもうすっかり暗闇に包まれていた。
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作者名：メロン | 作成日時：2024年1月2日 20時
