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3人の背中を見送った後、ふと校庭を見下ろすと、キラキラ一軍お姉さま数名とお兄ちゃんが歩いているのが見えた。
だるいとか言ってた割に、腕なんか組まれちゃって。
楽しそうな姿にキリキリと胸に痛みが走った。
「…ねぇ、樹の妹は帰らないの？」
見たくもないのにその様子をじっと見ていると、遠慮がちな声がした。
そうだった。
松村さんは何故かみんなと一緒に帰らなかったんだった。
「…帰ります」
「そ。じゃあ行きますか」
「えっと…」
「家、同じ方向だから」
「…そう、なんですか」
それは、一緒に帰ろうという事だろうか。
俗に言う圧倒的な陽キャなジェシーくんや慎ちゃんと比べて、何処か影のある松村さんは確かにカッコ良いんだけど。
放たれる空気は少し重たくて。
遠回しな言葉には妙な圧を感じる。
ちょっと苦手かもしれないとは思うけど、その圧力のせいで、断るという選択肢を選ぶ勇気はなかった。
「…ジェシーは？」
「ジェシーくん」
「慎太郎は？」
「慎ちゃん」
「高地は？」
「高地くん」
「で、俺は？」
「…松村さん」
「おかしいでしょう？ねぇ？おかしいよね？」
「…そうでしょうか？」
「樹から時々名前出たりしない？」
「しますけど…」
「でしょ？それでみんなは�爐�ん�瓩箸��爐舛磴鶚瓩如�俺はなんで�爐気鶚瓩覆錣院�ほら、おかしい」
「なんていうか…直接話した事もありませんし…」
「…なんかその敬語も気になるしさぁ」
松村さんと並んで歩く帰り道。
オレンジ色の空はもう暗くなり始めていた。
松村さんとは特に会話もなく、一体なんで一緒に帰ってるのか疑問で仕方なかったし、なんとも言えない空気が嫌で思い切って話し掛けたのがキッカケだった。
�狆沼爾気鶚瓩修Ω討鵑聖笋法�彼はもの凄く嫌そうな顔をした。
そして、怒涛のような質問攻め。
呼び方はまだしも話した事のない先輩にタメ口で話すほど私の肝は据わっていない。
「みんな、そう呼んでって」
「じゃあ俺の事も名前で良いよ」
「…はぁ」
「敬語もいらない」
「…努力します」
「いきなり敬語なんだよなぁ」
「…ごめんなさい」
「…まぁ、いきなりは無理か」
「…はい」
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作者名：メロン | 作成日時：2024年1月2日 20時
