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「なんで？俺もいるし良いじゃん。行こうよ」
「…んー、ごめん。人多いとこ苦手だし」
「わかるけど。松村さんが来たら絶対盛り上がると思うのになー」
心底残念そうな顔をしてそう呟きながらも、誘うのは諦めてくれたらしい。
"気が変わったら連絡して。一緒に行こ"と田中くんが言ってくれた。
それからも他愛ない会話が続く。
休みの話になれば、田中くんは朝までゲームしてるというから驚いた。
「だいたい朝方までゲームしてー、それから昼ごろまで寝てー」
「え、凄い不健康じゃん」
「いや気付いたら朝なの。自分でもビックリ」
「じゃあ今日も朝までゲームしてたの？」
「そー。しかも飯食うの忘れててこれが今日初飯」
「…ますます不健康だよ。体壊すよ」
心配して眉を顰めると、"すげぇ健康だし大丈夫"と本人はあっけらかんとしてる。
「そういう松村さんは休みの日何してんの？」
「えー」
「待って！当てる！」
「問題にできるほど面白い事はしてないよ？」
「いや当てる！……わかった！カフェ巡り！！」
「…あー、」
「え？！まじ？当たり？！」
「いや、巡りはしないけど。言われてみればお気に入りの喫茶店はよく行くかも」
「そこで本読んでんだ？」
「それは当たり」
「おしっ！」
正解しても何か出るわけでもないのに、嬉しそうにニコニコと田中くんが笑う。
つられるように私も笑ってしまった。
だって、田中くんの笑顔はやっぱり可愛い。
気持ち良く夜風が頬を撫でる。
隣に並ぶ田中くんが"良い風だな"と呟いた。
独り言のようなそれに返事をしないでいると、歩きながら顔を覗き込まれたから、思わず足が止まった。
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作者名：メロン | 作成日時：2023年6月4日 20時
