Destiny ～３～【ars】 (ページ39)

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優しさページ39

ベッドのリモコンで上体を起こす。

二宮さんの顔が見えやすくなった。

二宮『まず…皆は無事だから安心して。』

真っ先に聞きたかった言葉をようやく聞けて

A『………良かった……本当に良かった…！』

何度も口にして。

二宮『でも俺は怒ってるからね？』

A『え？』

二宮『車に乗らなかった。』

A『……ごめん。』

二宮『……どれだけ心配したか…！』

A『ごめん。』

二宮『…本当にごめんって思ってる？』

A『…………思ってます。』

二宮『なに今の間。ぜってー思ってない。』

A『………………うん。』

二宮『出た……出たよ………出ちゃったよ………』

A『もうっ、しょうがな』

突然塞がれた唇。

ゆっくりと離れ

二宮『二度とするな。頼むから……』

切なく揺れる琥珀の瞳。

A『………わかった』

二宮『約束。』

そう言って、優しい笑顔と優しいキス。

胸が締め付けられるような、いけない事をしてしまった少女のような気持ち…

そして、車が走り去ってから病院に着くまでの事を話してくれた。

A『重田が私を？』

二宮『遠藤さんに電話してきたのはその人だった、って。Aを病院に運ぶ為に銃で傷つけ、応急処置も的確だった。だから助かったらしい。』

…………重田……………。

A『……でも、私が完治したらまた狙うの？』

二宮『そう言ってたよ？笑いながら。』
また困ったように笑う。

A『そう……。皆のスケジュールは？』

二宮『今まで通り。もともと１週間の休みがあったから、そのあとは普通に仕事。事務所の爆発も影響なく。俺達の事は誰にも知られてない。』

A『え、じゃあ空港の爆発は？』

二宮『原因は整備不良…。表向きはね。遠藤さんの話では、重田って人が証拠隠滅の為に爆弾を仕掛けたか、パイロットがグルでパイロットが爆破したかだろうって…。』

あの女は殺されたのだろうか……。

なぜそこまでして彼らを狙うのか………。

二宮『重田って人は、依頼されて、って言ってた。』

なぜ、そんな仕事を引き受けたのか………。

あ、肝心なこと――――――

A『私、何日ここに？二宮さんはずっと？』

二宮『Aが運ばれたのは一昨日だよ。丸１日寝てた。俺は毎日来てるよ。』

良かった、そんなに時間はたってなかった。

二宮『………皆が気になる？』

A『………いいえ。』