Destiny ～３～【ars】 (ページ28)

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冷めた目ページ28

そのまま日本まで飛ぶように伝え、日本に着いたらその女は警察に渡すようにお願いして、コックピットに戻ってもらった。

傷が痛む…。

二宮さんの処置のお陰でどうにか日本まで意識は保てそうだ。

立ち上がろうとすると二宮さんと相葉さんが肩を貸してくれる。

A『ありがとう…』

女に近づき、持ち物を探る。
身分がわかるようなものは…持っていない。
腰回りを触って…

A『……こいつ……。』

内腿から出たのは…

相葉『……まじかよ。』

小型の拳銃。

松本『それ…って……』

大野『マジか…』

櫻井『………………。』

二宮さんと相葉さんの肩を借りて、シートに座る。

A『お願い。誰かお酒を。』

櫻井さんが棚を開けて
櫻井『色々あるぞ。』
私の方を見る。

A『……ウォッカを。』

グラスと瓶を持ってきてくれて…
私は瓶のまま飲んだ。

相葉『A…』

皆が私の回りに立つ。

アルコールのお陰でまた痛みが少しだけ遠退いた。

A『みんな座って…』

黙って腰をおろす。

A『お水は、封の開いてないものを。グラスは使わずに。』

櫻井『……あぁ。』

私は右手にウォッカのボトルを持ち、立ち上がって女に近寄る。

二宮さんが手を貸してくれようとするが
A『大丈夫。』
そう言って手を遮った。

女の足元に立ち、ボトルを逆さまにして女にウォッカを掛けた。

大野『！』

…私は今、どんな顔をしているのだろう……

『…………ん…』

女が目を覚ました。

A『……おはよう。』

『……!』

A『気分は？』

『…………』

A『ちなみに私は最悪よ？』

『……………』

A『ねぇ、あなたお酒臭いわね？』

『…………………』

A『喉渇かない？』

『………………』

さっきこの女が注いだグラスを手に取り、
A『……飲む？』

『………いらないわよ。』

A『……あら。』

私はその水を口に含み

二宮『A！』

女に口移しで水を無理矢理飲ませた。

二宮『A！大丈夫なのか!?』
皆が息を飲んで私をみる。

A『大丈夫よ………』

櫻井『……お前…』

櫻井さんが怯えた目をしている。
二宮さんも……。

あぁ。

今、〔そういう目〕をしているのね、私……。