Destiny ～３～【ars】 (ページ27)

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ドクターキットページ27

A『大野さん…。』

大野『なに！』

大野さんも泣きそうだ。

A『……ふふっ。大丈夫よ。急所は外れてるから…。』

大野さんの頬に手を伸ばす。
血塗れの手を握ってくれる。

大野さんの目から溢れた涙が手に落ちる。

櫻井『ロープあった！大野さん松潤手伝って！』
松本『おう！』
松本さんが走っていった。
大野さんは動こうとしない。

A『大野さん。私は大丈夫だから…櫻井さんを手伝って。』

目をゴシゴシっとこすり、
大野『わかった。』

櫻井さんの元へ。

二宮『あったよ！どれ！』
二宮さんと相葉さんがドクターキットを手に走り寄って来た。

A『……開けて。』

ドクターキットを開けて、止血剤と消毒薬、ガーゼにテープを取る。

相葉『ごめん、全然わかんない…』
大抵英語表記、もしくはドイツ語であったり。

A『いいの…。服、脱ぐの手伝って…』

左胸の上の方を刺された。脱がなくては処置出来ない。

二宮『…痛む？』

二宮さんが手伝ってくれるが、服を捲って肩を抜こうにも抜けない。

A『相葉さん、ハサミがあるから服を切って。』

相葉『はっ。えっ。え…』

二宮『貸せ』

手際よく服を裁断していく。

相葉『……………。』

A『相葉さん。パイロットを呼んできて欲しいの。お願い…。』

相葉『え？うん…わかった！』

相葉さんがコックピットへ走っていった。

櫻井『縛ってきたよ。そっちはどうだ？』

二宮『今救急処置してる。』

服を切り終わり、消毒薬をかけてもらうところだ。

二宮『いくよ？』

自分の腕を口に当て、うなずく。

消毒薬をゆっくり傷口にかける。

焼けるような痛みが走る。

A『くっ…！…あぁぁぁっ！』

こらえきれずに叫んだ。

松本『Aさん！』
手を握って名前を呼んでくれる。

A『はぁ…はぁ…。松本さん…ありがとう…』

二宮『次は？』
目に涙を浮かべながら冷静に対処してくれる二宮さん。

A『これ、止血剤。振りかけて。その後ガーゼで押さえてテープ貼って…』

二宮『わかった。』

相葉『呼んできた！』

相葉さんが副操縦士を連れて来た。

『What happened!?』

A『Who is this person?』

そこに縛られて転がってる女を誰か尋ねた。

『…a person who is a total stranger』

やはり、見たこともない客室乗務員だと教えてくれた。