Destiny ～３～【ars】 (ページ25)

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離陸ページ25

作戦会議終了、皆を部屋へ返した。

大野さんが朝まで一緒に居たいと言ってくれたけど、今は犯人の手掛かりを追うのに精一杯で…

事務所に送られた予告状の画像を皆に見せたが、文字はやはり利き手と逆の手で書いたらしく、認識出来なかった。

頭がいい。

わざわざアナログな手法に出て、追跡しにくくしている…。

手詰まりだった。

翌朝――――――

空港へ向かう車内は静かで……。

メールが届き、開けば遠藤さんからで。

―――時限装置特定できたから。

添付された画像を開いた。

A『……え…』

思わず声が漏れた。

相葉『え？Aどした？』

損傷は激しいが、使われたコードや配線などは見える。

そして、その装置には特徴があり…

二宮『……A？おい！どうした！』

身体が震える。

頭がぐるぐると回る。

松本『車停めて！』

A『ダメ！…停めないで。空港までまっすぐ行って…』

櫻井『おい、お前…』
隣に座る櫻井さんの腕にしがみつく。
そうでもしないと吐きそうだった。

なんで…………。

私はあの装置に見覚えがあった。

…………なぜ………

時限爆弾などの装置には、それぞれ犯人特有の個性が出るという。

それは私たちの仕事も同じで…

立て籠った犯人を部屋から出すために時限装置を作る事がある。

あの装置………

私は日本であれを作る人を１人だけ知っている………

もし、その人が敵ならば……こちらの行動は全て筒抜けなのかも…

車は空港に着き、そのまま滑走路を走り昇降口に横付けする。

嵐の為に専用で用意した小型のジェット機。

飛行機に乗り込み、シートに座る。中はファーストクラスのようだった。

松本『ねぇ、Aさん大丈夫？』

向かい合った４人掛けのシートに、通路を挟んで２人掛けのシート。

皆が不安そうに私の顔を見る。

隠し事はしない。

お互いを信じる。

そう話合ったばかりじゃない。

言おう、話そう。

A『不安にさせるつもりはないんだけど…相手は……強敵よ。』

二宮『…わかったの？』

A『さっき時限装置の画像が届いて。あの装置を作る人、私は知ってるの。』

勘違いであって欲しくて、会社にメールして確認した。

会社からの返事で…確信した。

A『……重田………。』

相葉さんが目を見開く。

相葉『……………うそ………。』

私達を乗せた飛行機が離陸した。