Destiny ～３～【ars】 (ページ21)

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なんでページ21

―――コンコン

A『はい、どうぞー。』

荷物をまとめたり、届いたメールの確認、事務所とウチの社長との連携等、忙しくて手が離せないから返事だけ。

大野『Aちゃーん？あー、いたいた。』

大野さん…。

A『どうしたの？』
顔を合わせないで返事だけする。

大野『今皆で話してて、とりあえず最終日に予定していた買い物に行こうってなって…。』

A『大丈夫よ、ここにいる間は。行ってきて。』
明るく答える。

大野『…あぁ。』

側に大野さんが近寄って来て、

大野『Aちゃん？』

A『ん？』

呼ばれて顔を上げると、突然キスされた。

A『！大野さん！』

驚いて名前を叫ぶとケラケラ笑って

大野『仕返しだよ(笑)』

って。

A『え…？』

意味がわからずフリーズ。

大野『名前で呼んでよ。おいら、死ぬかも知れないんだろ？』

A『………！な、に言って…』

大野『あと…』

笑顔がふっと消え、真面目な顔になり

大野『…本当のこと言わなかった。』

A『……え…』

大野『信じてないの？』

A『…大野さ……』

大野『あいつらのこと、おいらのこと信じてないの？仲間なんじゃねーの？』

A『！…。』

大野『おいらはAちゃんのこと信じてるよ。』

あぁ………。気なんか使う必要なかったんだ。

そんなの、自分のエゴでしかなかったんだ。

信じるって……難しいんだね……。

涙が頬を伝う。

大野さんの指が涙を拭い、濡れた頬にキスをする。

大野『Aちゃん？』

A『………なんで、わかったの？』

大野さんは優しく微笑み、

大野『なんでかな…？Aちゃんが本当のこと話してないって…勘？』

苦笑いした。

A『ごめんなさい。買い物行くのよね？早めに帰って来て。午後５時頃、皆とこの部屋に集まってくれる？そこで話す…。』

大野『わかった。』

私の頭をポンポンと優しく叩き、

大野『行ってくる。また後でな。』

そう言って部屋を出ていった。

………ふぅ。

そうよ、胸が痛んだのは嘘をついたから。

自分が悪い。

知らされない方がきっとツラい。

ちゃんと話そう。

遠藤さんからの報告と自分のプランの報告を終わらせ、

届いた画像を見ながら、

彼らの帰りを待った。