Destiny ～３～【ars】 (ページ18)

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本当の事ページ18

相葉さんの部屋で食事とお酒を楽しんだ後、自分の部屋へ戻った。

相葉さんの気持ちを聞いて、素直に嬉しいと思えた。本当に大事にしてくれるんだろうな、と思えた。でも手放しで喜べないのも本当で。

二宮さんと大野さん…。

お酒が入った頭では考えられる訳もなく。

部屋に戻ってすぐに眠りについた。

太陽が眩しくて起きた時間は９時すぎ。

A『…寝すぎだ』
ベッドの中で呟く。

サイドテーブルのスマホが光ってることに気付き手に取ると、遠藤さんからの着信だ。

血の気が引くのがわかった。

よほどの事がなければ電話なんてしてくる筈がない。

すぐにかけ直す。

２回のコールで繋がった。

A『すみません。』

遠藤『そっちに異常は？』
緊張した声が電話越しに伝わる。

A『なにもありません。』

遠藤『そっか…。良かった。』
安堵の息が洩れたのだろう。

A『何事で？』

遠藤『今朝…事務所が爆発した。』

心臓に、握り締められたような痛みが走る。

A『…遠藤さんは…』

遠藤『俺は大丈夫。っつーか、今朝といっても４時頃だからな。事務所には誰も居ない。』
ここフィジーと日本の時差は4時間だ。

A『そうですか…。ご無事でなによりです。』

遠藤『セキュリティ会社からの通報でわかったぐらいだから全員無事だ。』

A『原因は？』

遠藤『…それなんだが……。』

言いにくそうにしているのが伝わる。

遠藤『…爆弾がしかけられていたらしい。』

A『……え。』

遠藤『まだ現場検証の最中だから詳しくはわからないが、警察の話だと』

A『不自然に損傷が激しい箇所が、と。』

遠藤『…さすが。その通り。』

A『…遠藤さん。本当の事話してください。警察が１時間で原因を突き止めるとは思えません。まずあらゆる可能性を考えた上で調べるはずです。そこで爆弾に辿り着くには…早すぎます。』

遠藤『…やっぱり。』

A『……予告、あったんですね？』

遠藤『……あぁ。』

沈黙が流れる。

その沈黙の意味は恐らく…

A『…誰ですか。』

遠藤『……。』

A『……必ず守ります！だから…！』

遠藤『明朝の便で帰国してくれ、全員。』

A『…わかりました。』

電話の向こうで、遠藤さんが涙を堪えてるであろう様子が伺えた。

遠藤『…頼むから……あいつらを…守ってくれ…！』