恋と病熱 ~TH.JK~

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【好きと幸せは両立しない】









昔見たドラマの女優がそう嘆いていた。


その頃まだ中学生だったわたしは、どうして？好きな人がいるなんて幸せでしょ？とある人を思い浮かべ疑問に感じたのを覚えている。
あの日から5年経った今、気づけばわたしはもう高校2年生。
考えてみればその言葉の意味も何となくわかる気がする、なんて。









曇り空の下、午後3時。
教室の窓側の後ろの席でふとそう思った。








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TH『おーい、聞いてますかぁ』

「わっ……テヒョン、」

TH『何なの？このイケメンが何回も話しかけてるのに気づかないとかさ』

「自分で言うなアホ」









頬杖をつきながら考えごとをしているとそれを遮ったのは幼馴染みのテヒョンだった。
テヒョンはわたしの前の空いている席に腰をかけると、いつもの軽いおちゃらけたノリでわたしの頬をつついた。


幼馴染みとして十数年一緒に過ごしてきたからあまり意識したことは無いけど、たしかに顔立ちは整っていてスタイルもいい。俗に言うイケメンって奴なんだとは思う。









TH『で、今日はこのあとどうする？ってさっきから聞いてんだけど？』

「わたしはテスト勉強するよ」

TH『じゃー俺も』









わたしはカバンに荷物を詰め込んで曇り空を見上げてからカバンの中の折り畳み傘があることを確認した。

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