168 - リクエスト ページ8
【サクラさんリクエスト】 五条side キッカケ
*
閉じたカーテンの隙間から、うっすらと月明かりが射し込む。
それは横で寝ている彼女の顔を朧げに照らし、真っ白な肌と真っ黒な髪が神秘的に輝く。
彼女の頬に触れ、徐々に首へ、胸へと手が下がる。
スベスベとした肌が気持ちがいい。
五条
「…A…。」
返事はない。
先程までの行為に疲れて寝てしまったのだろう。
今までに、僕の心をこんなにも乱した女は居ただろうか。
何奴も此奴も、僕の名声、富、顔などを求め、近寄ってくる奴ばかり。
それはまるで人の皮を被ったハイエナのよう。
彼女の顔にかかる髪を退かし、額にキスをする。
そうすれば彼女はふにゃりとした笑顔を浮かべる。
Aは名声、富、顔などを一切求めなかった。
唯一求めたのは僕。
彼女は僕自身を求めた。
そんな人は今までいなかったし、素直に驚いた。
それと同時に、僕はそんな彼女に興味を引かれたんだ。
*
A
「花嫁ぇ!?」
そう、最初はただの家の決まり事。
六眼なんてレア物を家の連中が手放せるとは思ってもなかったし、昔の書き物にそう書いてあったのも読んだことがあった。
その昔の決まり事を彼女に伝えただけ。
五条家の落し物は、五条家にあるべし。
僕もなるべく家に恨まれたくはないしね。
まぁ、でもこんな子供を花嫁にとか、やっぱり上の連中は頭イカレてんなぐらいには思ったけど。
どうせ僕がこの子を好きになる事なんてないし、彼女もきっとそうだろう。
五条
「そゆこと。」
「おえらーい御三家の決まり事だからねぇ〜。」
どうせ、嫌がるさ。
眉間に皺を寄せ、難しい顔をして何かを考えるA。
ゆっくりと顔を上げ、僕の眼を見つめた。
A
「…それで、悟がそばに居てくれるなら…。」
それは多分、依存に近いもの。
両親を亡くしたばかりの彼女にとっては、誰が傍にいる、それだけで良かったのだろう。
五条
「…いいの?」
「いや、まぁ、拒否権はないんだけどね。」
A
「いいよ。」
「その代わり、…ずっと傍にいてね。」
僕の眼をじっと見つめる彼女。
その憂いを帯びた瞳に心惹かれた僕はきっとおかしい奴だと、そう皆が笑うだろう。
五条
「…約束するよ。」
「僕は君を守るし、ずっと傍にいる。」
もはや、縛りのような言葉。
でも、それを聞いた彼女は凄く嬉しそうに笑った。
その時の彼女の眼の輝きを僕はきっと忘れないだろう。
*
眼。
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mito(プロフ) - みるたそさん» 確かに本誌辛いですよね…。 (2021年3月9日 17時) (レス) id: 015c2c805f (このIDを非表示/違反報告)
みるたそ - mitoさん» お風呂ネタ意外と好きなんですよ〜苦笑自分は変態かっ!本誌が辛いのでmitoさんの小説で癒されています!^ ^ (2021年3月9日 17時) (レス) id: 2548faf38b (このIDを非表示/違反報告)
mito(プロフ) - みるたそさん» お風呂いいですね!思いつきませんでした!書いてみます! (2021年3月5日 7時) (レス) id: 015c2c805f (このIDを非表示/違反報告)
みるたそ - リクで、一緒にお風呂に入ると駄々をこねまくる五条さんと夢主が一緒にお風呂に入り、湯船に浸かっている時に首を甘噛みして甘えて来た五条さんに仕返ししてじゃれあったり、体を洗いっこするまで出ないという五条さんを渋々許したりする甘々が見たいです^ ^ (2021年3月4日 22時) (レス) id: 2548faf38b (このIDを非表示/違反報告)
mito(プロフ) - みるたそさん» 全然大丈夫です!!むしろそう言って貰えて嬉しいです!! (2021年3月3日 21時) (レス) id: 015c2c805f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:mito | 作成日時:2021年2月25日 16時