五条家の落し物4【呪術廻戦】

198 - 番外編 ページ38

【ちょっとヤバいクスリ2】 伏黒side 伏黒恵の場合2


＊


A
「えぇ！？」


伏黒
「だからあまり近付かないでくれ。」
「と言うか俺に触るな。」
「お前を傷付けたくない。」


A
「えっ…あ、はい。」


伏黒
「早く高専に戻ろう。」


A
「…待って。」


立ち上がり歩き出そうとした俺をAの手が引き止めた。
俺の体とは正反対に彼女の手はひんやりと冷たく、それが気持ちがいい。


伏黒
「触んなっつたろ…。」


A
「高専戻るのはいいけど。」
「…恵、それで歩けるの？」


図星だった。
現に俺の足元は覚束無い。
車の所まで1人で歩けるかと聞かれたら、それは怪しい。
式神を呼んで運んで貰おうかと考えたが、この呪力が乱れた状態では厳しいだろう。


A
「車まで私が運ぶよ。」


伏黒
「…は？」


A
「恵1人ぐらい運べる。」
「私も鍛えてるから大丈夫だよ。」


そう言って彼女は俺を横抱き…、世間で良く言うお姫様抱っこをした。


伏黒
「いや、待てAこれはちょっと。」


A
「じゃ、行こうか。」


俺の言葉なんて聞こえてないようだった。
せめて何か違う持ち方なかったのか。
Aのこの予期せぬ行動のおかげか、さっきまで俺の感情を占めていた欲が薄れていった。


伏黒
「A、頼むから下ろしてくれ…。」


＊


Q、感想は？


伏黒
「好きな女に姫抱きされんのはキツい。」
「…おいやめろ、笑うな虎杖。」

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