99 - 番外編 ページ39
【七海建人の溜息4】 Aの憂鬱
*
建人さんに横抱きにされた。
A
「なんか、すみません…。」
七海
「しょうがないです。」
呪霊の攻撃でもなんでもない事で負傷するとは我ながら情けない。
七海
「呪霊の攻撃では呪力の残穢があります。」
「残穢がなかったのであれは完璧事故ですね。」
「Aさんのせいではありません。」
「あまり気を落とさずに。」
残ってた呪霊は建人さんが全て祓ったらしい。
A
「…私もしやこれ怪我しにきただけになってない?」
七海
「逆に骨折だけで済んで良かったですね。」
「全身瓦礫に埋もれてたら大変な事になってます。」
A
「確かに…。」
全身瓦礫に埋もれてたら…、考えたくない…。
建人さんに横抱きにされながら廃ビルから脱出する。
七海
「少しここに座れますか?」
ビルから少し離れた所にゆっくりと下ろされる。
A
「いてて。」
七海
「迎えを呼ぶので待ってて下さい。」
そう言って電話をかけ始めた。
早く高専帰って治して貰おっと。
………ん、待てよ?
そういえば、硝子さん今日出張に行ってた気がする。
A
「もしかして今日ずっとこのまま…?」
つまり、このまま家に帰ると?
A
「………。」
七海
「今から迎え来るそうです。」
「…どうしました?大丈夫ですか?」
A
「今日硝子さんいない気がする。」
七海
「そうなんですか?」
A
「……どーしよ。」
七海
「………面倒な事になりそうですね。」
私が言いたい事を察してくれたのか眉間に皺を寄せる建人さん。
絶対、悟になんか言われる。
最悪のお説教コースだ。
A
「あぁ…、帰りたくない…。」
七海
「Aさんも大変ですね…。」
頭を抱えて悩んでいたら。建人さんに哀れみの眼で見られた。
*
帰宅恐怖。
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作者名:mito | 作成日時:2021年1月17日 0時