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99 - 番外編 ページ39

【七海建人の溜息4】 Aの憂鬱





建人さんに横抱きにされた。


A
「なんか、すみません…。」


七海
「しょうがないです。」


呪霊の攻撃でもなんでもない事で負傷するとは我ながら情けない。


七海
「呪霊の攻撃では呪力の残穢があります。」
「残穢がなかったのであれは完璧事故ですね。」
「Aさんのせいではありません。」
「あまり気を落とさずに。」


残ってた呪霊は建人さんが全て祓ったらしい。


A
「…私もしやこれ怪我しにきただけになってない?」


七海
「逆に骨折だけで済んで良かったですね。」
「全身瓦礫に埋もれてたら大変な事になってます。」


A
「確かに…。」


全身瓦礫に埋もれてたら…、考えたくない…。
建人さんに横抱きにされながら廃ビルから脱出する。


七海
「少しここに座れますか?」


ビルから少し離れた所にゆっくりと下ろされる。


A
「いてて。」


七海
「迎えを呼ぶので待ってて下さい。」


そう言って電話をかけ始めた。
早く高専帰って治して貰おっと。
………ん、待てよ?
そういえば、硝子さん今日出張に行ってた気がする。


A
「もしかして今日ずっとこのまま…?」


つまり、このまま家に帰ると?


A
「………。」


七海
「今から迎え来るそうです。」
「…どうしました?大丈夫ですか?」


A
「今日硝子さんいない気がする。」


七海
「そうなんですか?」


A
「……どーしよ。」


七海
「………面倒な事になりそうですね。」


私が言いたい事を察してくれたのか眉間に皺を寄せる建人さん。
絶対、悟になんか言われる。
最悪のお説教コースだ。


A
「あぁ…、帰りたくない…。」


七海
「Aさんも大変ですね…。」


頭を抱えて悩んでいたら。建人さんに哀れみの眼で見られた。





帰宅恐怖。

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作者名:mito | 作成日時:2021年1月17日 0時

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