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94 - 本編 ページ34

【気持ち5】 五条side 答え





五条
「……A?寝た?」


ピクリともうごかないAが心配になり、思わず声をかける。


A
「起きてるよ。」


五条
「そっか。」


少しの沈黙の後、Aが口を開いた。


A
「…あ、あのさ!」


ベットから勢い良く起き上がり、寝っ転がっている僕に声をかける。
その顔は何かを決心したような、そんな表情をしてた。


五条
「ん?」


僕も同じように起き上がり、じっとAの眼を見つめる。

彼女の黒い眼と、僕と同じ蒼い眼。

その2色の眼が僕をしっかりと見据える。

どちらの色も彼女に合っていて綺麗だ。


A
「…指輪、わざと外さなかったんだけど…。」


微かに震えている声。
やっと、答えが聞けた。


五条
「それって…。」


A
「たぶん……、そういう事。」


Aは恥ずかしいのか僕から眼を逸らす。
顔を伏せ、ゆっくり言葉を紡ぐ。


A
「…最後に思い浮かんだのが悟だった。」
「悟の事、予想以上に大切にしてたみたい。」


僕だって最初はただの家の決まりを守っていたに過ぎない。
面倒になったらそれを破って手放せばいい。

そう思ってた。

でも、あの時の彼女はとても綺麗で、寂しそうで。
放っておけなかった。

ただ、それだけだった。


A
「…今まで返事出来なくてごめんね。」
「この気持ちがなんなのか、ずっと考えてたんだ。」


なのに、こんなにも大切になるなんて思いもしなかったんだ。

ゆっくりと眼を開けたAは僕を見つめる。
とてもとても愛おしそうな表情で。


A
「悟、好きだよ。」


僕もAが好きだ。





ずっと待っていた。

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作者名:mito | 作成日時:2021年1月17日 0時

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