94 - 本編 ページ34
【気持ち5】 五条side 答え
*
五条
「……A?寝た?」
ピクリともうごかないAが心配になり、思わず声をかける。
A
「起きてるよ。」
五条
「そっか。」
少しの沈黙の後、Aが口を開いた。
A
「…あ、あのさ!」
ベットから勢い良く起き上がり、寝っ転がっている僕に声をかける。
その顔は何かを決心したような、そんな表情をしてた。
五条
「ん?」
僕も同じように起き上がり、じっとAの眼を見つめる。
彼女の黒い眼と、僕と同じ蒼い眼。
その2色の眼が僕をしっかりと見据える。
どちらの色も彼女に合っていて綺麗だ。
A
「…指輪、わざと外さなかったんだけど…。」
微かに震えている声。
やっと、答えが聞けた。
五条
「それって…。」
A
「たぶん……、そういう事。」
Aは恥ずかしいのか僕から眼を逸らす。
顔を伏せ、ゆっくり言葉を紡ぐ。
A
「…最後に思い浮かんだのが悟だった。」
「悟の事、予想以上に大切にしてたみたい。」
僕だって最初はただの家の決まりを守っていたに過ぎない。
面倒になったらそれを破って手放せばいい。
そう思ってた。
でも、あの時の彼女はとても綺麗で、寂しそうで。
放っておけなかった。
ただ、それだけだった。
A
「…今まで返事出来なくてごめんね。」
「この気持ちがなんなのか、ずっと考えてたんだ。」
なのに、こんなにも大切になるなんて思いもしなかったんだ。
ゆっくりと眼を開けたAは僕を見つめる。
とてもとても愛おしそうな表情で。
A
「悟、好きだよ。」
僕もAが好きだ。
*
ずっと待っていた。
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作者名:mito | 作成日時:2021年1月17日 0時