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89 - 本編 ページ29

【おはよう】 目覚め





あったかい。


ゆっくりと眼を開ける。
真っ白な天井と光が眼に入る。

ふと、左手に温もりを感じ、そちらに眼を向ける。
そこには私の手を握り顔を伏せている悟がいた。
起きて1番最初に会うのが悟で良かった。

ずっと会いたかった。

私の手を祈るように握る彼に声をかける。


A
「おはよう。」


五条
「…A、起きたのか?」


鮮やかな蒼い眼を見開いて私を見る悟。
それがなんだかおかしくて、思わず笑ってしまう。


A
「ずっと…、悟に会いたかった。」


そっと悟の手を握り返す。


五条
「よかった…本当に良かった…。」


ポロポロ涙を流しながら私の手を握りしめる。
男の人に言う言葉じゃないかもしれないが、蒼い眼から流れ落ちる涙がとても綺麗だ。


A
「泣かないでよ…。」


悟の涙につられ、思わず涙が零れた。





五条
「…ほんっとAは無茶するね。」


A
「…心配かけてごめんね。」


五条
「…僕こそ、Aを守れなかった。ごめん。」


A
「悟は関係ないよ。」
「全部、私のせいだから。」
「お願いだから、気にしないで。」


俯く悟の頬に優しく触れる。
蒼い眼は悲しそうに揺らいでいた。


A
「悟にまた会えてよかった。」


悟の眼に柔らかく笑う私が写る。

その眼に私はどう見えているのだろうか。


五条
「…A。」


悟の手が私の頬に触れる。


A
「なに?」


五条
「愛してる。」


そう言って、キスをした。
直球な言葉とキスに思わず面食らう。
理解すると同時に顔に熱が集まるのがわかる。


A
「なっ…!なにすんの!?」


鼻と鼻がくっつきそうな距離に悟の綺麗な顔が見える。


五条
「Aの答えを聞かせてよ。」





五条悟の気持ち。

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作者名:mito | 作成日時:2021年1月17日 0時

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