＊【るす＊まふ】 黒 王 子 ＊

◆黒王子＊０９ ページ10

真冬くんはスタスタと一階に降りてしまって、私はゆっくりと降りていく。


だけど一階についてリビングに行くと、まふゆくんは帰る準備を既に済ませていた。



『あれ、真冬くん…？』



「帰るよ、お邪魔しました〜また来るね！」



「おっけー、またいつでも来てええから」



私もお邪魔しました、と言って帰り道を歩き始める。

でもなんで急に帰るなんて…。



「Aちゃん」



『な、なに…？』



すると今まで背けていた顔をくるりと向けてくる。


「僕が彼氏なんだからねー？？」



うん、当たり前だよ、というとそうだよね〜！と笑顔で返してくれる。


何を今更…。



「僕、Aちゃんが他の男と何かしてるの見るだけでイライラしちゃうんだ。僕が彼氏なのにって」


『そ、そうなんだ…』



私はそんなことはない、かな…。



「もう！あんまり他の男に思わせぶりな態度とらないでよ〜？」



わかったよ、と言うと丁度信号が青になったのが見えた。

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