＊【るす＊まふ】 黒 王 子 ＊

◇黒王子＊０８ ページ9

『そうそう！私のなんだ！』


手を差し出すも、一向にネックレスを返してくれない。

すると光くんが近づいてくるのが分かる。

な、なになに！？


光くんは私にネックレスをかけてくれるみたいで、後ろで溜めようとする。

するけど、


「あれ〜？何してるの？」


いきなり真冬くんが現れた。


「あ、ネックレスあったんだね！よかった〜！」



光くんから奪い上げてネックレスを眺める真冬くん。


「彼氏に付けてもらった方が嬉しいよね」


そう言って真冬くんは光くんを睨んだ。

そうやね、と光くんは微笑んで立ち去ったけど。


「もう、あんなに近づいてたら誤解しちゃうじゃん〜」


『ご、ごめんなさい…』


さっきの真冬くんの顔、見たことない顔だったな…。

真冬くんはネックレスを私にかけると、そのネックレスの飾りを眺める。


「綺麗…」


『うん、これすごい綺麗だよね！』



「まあ、Aちゃんの方がよっぽど綺麗だけど」


『……へ？』



綺麗ってどういう…


「とりあえず下降りよっか」



その意味も聞けないまま、私と真冬くんは一階へ降りた。

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