＊【るす＊まふ】 黒 王 子 ＊

◇黒王子＊１２ ページ13

『…っん……は…』



思わず漏れ出す声。

我慢しようとしても出ていく。


真冬くんが私の首の後ろに手を回したかと思うと、髪の毛を束ねていたゴムをほどいた。

そして真冬くん自身の手に、私の髪を絡ませる。


不意に離れた唇。



「……髪の毛も、綺麗だね」



もうほぼ吐息のようなその声。

私はまたドキッとしてしまって、本当に恥ずかしい。


髪を絡ませていた手が背中を伝ったかと思うと、服の裾を掴んでいたみたいで。


一枚脱がされたと思ったら、真冬くんが私を抱き寄せてくる。



『あ、あのっ、恥ずかしい、…』


「僕たち…今、二人きりだよ…？？」



いや確かにそうだけども…。


それでも恥ずかしさには勝てない。



「じゃあ、今日はもうここでやめる？」



耳元で囁かれた甘い言葉。

心の中ではもう耐えられなくてうなずこうとするも、口が自然と動く。



『ま、まだ、やめ、ないっ……』



私はなんてことを言ったんだろう。

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