安田章大 胃腸炎* ページ27
※嘔吐、下痢表現があります。苦手な方はUターンをお願いします。
3.錦戸さいど
ヤスを病院から連れて帰ってきた。点滴中に目を覚ましてからは一度も起きることなくぐっすり。嫌いな検査も点滴も頑張ったもんね。
部屋に寝かせてしばらくすると、ヤスが真っ青な顔で目を覚ました。寒気がするって体をさすってるんだけど、様子がおかしい。まぶたをめくらせてもらうと真っ白だった。貧血か…。近くにあったクッションを足元に置く。これで少しでも楽になったらいいな。
安田「りょう、やば、吐きそうっ…」
錦戸「はいはいはい、ここに洗面器あるから吐いてええよ」
洗面器を差し出して背中をさすると、その背中が大きく波打って吐き出した。吐いても吐いても気分が悪いみたいで、胃液まで出てきてしまっている。
錦戸「ちょっとストップ。そんな嘔吐いたら喉壊しちゃうから一旦これ飲もうな」
水を飲ませると、大きく嘔吐いて吐き出した。可哀想なことをしたなとは思ったけど、それで気分が悪いのは落ち着いたみたい。
安田「はあ、はあ、もう大丈夫…」
錦戸「よかった。これで口ゆすごうな。まだ気分悪いやろうし無理に飲まんでもええよ」
口を濯ぐと、ぐったりとベッドに横になった。寝ているのを確認して熱を測ると38.5℃。この感じだと結構長引きそう。頑張れヤス…。熱い頭を撫でていると、ガバッと起き上がってトイレに向かった。お腹が痛かったみたいで、中からは苦しそうな声と水音が聞こえてくる。
錦戸「ヤス、お腹大丈夫？開けられそうだったら開けて？」
安田「やばい、はく、かも…」
そう言った瞬間息の詰まる声が聞こえてきた。大急ぎで部屋から洗面器を持ってきてトイレのドアを開けてもらう。真っ青な顔でお腹と口を押さえてるヤス。洗面器を差し出して背中をさすると、嘔吐くことなく吐き出した。
錦戸「しんどいな。ちゃんと吐けてるから大丈夫やで。落ち着いてな」
摩擦熱なのかヤスの体温が上がっているのか、どんどん熱くなっていく背中。熱、上がってそうやな…。
安田「はぁ、ゲホゴホッ、おぇ、もう大丈夫…」
錦戸「しんどかったやろ。よう頑張った。これで口ゆすいで、飲めそうやったら飲んでな」
口を濯がせて少しだけ水を飲ませる。その間に額に流れる汗を拭く。ヤスを抱えながら色々して水を流して、部屋に戻った。早く良くなりますように。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 20人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：はるか | 作成日時：2022年1月11日 14時
