二宮和也 扁桃炎 ページ21
1.二宮さいど
朝起きると、息が吸えなかった。比喩とかではなく、本当に。息を吸うのにも唾を飲み込むのにも喉に痛みが走るから声を出すなんてできそうにない。実際に声を出そうとしたけど、出てきたのは熱い息だけだった。
とりあえず誰かを呼ぼうと、喉の痛みと焦りで額に流れる冷や汗を拭いながらシェアハウスのグループにLINEを送った。
二宮 和也なんか、喉おかしくて。息吸うのも唾飲むのもしんどい…。誰か来て…
既読がついてすぐ、ドタドタと走る足音が聞こえてきた。
櫻井「ニノ大丈夫!?…って、結構しんどそうだね」
俺はスマホのメモ機能を使って、頭と喉が痛いこと、冷や汗が止まらなくて寒気がすることを伝えた。
櫻井「ん、わかった。毛布かけるよ。熱測らせてね?」
眠たいのに、喉の痛みで全く眠れない。翔ちゃんを見つめると、しんどいねって抱きしめて背中をさすってくれた。
二宮「はぁ、はぁ、ゲホゲホっ、しょ"ーちゃ"…ゲッホゴホ!」
櫻井「あーあー、無理に声出さなくていいよ。深呼吸…って思ったけど息吸っても喉痛いんだっけ。…熱も高いし病院行こうか。息吸えなくて唾も飲み込めなくてってしんどいでしょ」
顔を覗き込まれて小さく頷く。翔ちゃんが毛布ごと抱き上げて車まで連れていってくれた。
櫻井「今から病院行くから、酔ったら服の袖掴むなりして教えてね」
翔ちゃんの言葉に頷いて、目をつぶる。最初は酔わないようにとつぶっていただけだったけど、いつの間にか眠っていたみたい。目が覚めると病院で点滴を打たれていた。
二宮「しょーちゃん…。ん"ん"っ、げほっ、、」
櫻井「ちょっとは声出るようになったね。よかった。ここ病院だよ。扁桃炎だって。点滴終わったら帰れるからね」
扁桃腺が酷く腫れていたらしい。点滴のおかげで喉の痛みは落ち着いているけど、やっぱりまだ腫れは治まっていないみたいで唾を飲み込むと痛みが走る。でも朝よりは全然良くなった。
点滴が終わって、薬局で薬を受け取って家に帰る。翔ちゃんの安全運転のおかげで、帰りも酔わずに家に着けた。
櫻井「ただいま」
相葉「おかえり。ニノ、体調どう?」
二宮「なんとか、大丈夫…。げほっげほっ…」
すごい声だねって心配そうな顔で頭を撫でてくれた。喉の痛みと咳のせいでガサガサになってしまった。熱もしんどいけど、それよりも喉がしんどい。喉の痛みだけでも、早く治ったらいいな…。
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作者名:はるか | 作成日時:2022年1月11日 14時