luzの彼女はしっかり者 (ページ2)

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(side A)

『ふ〜んふふっふふ〜♪』

あ、皆様はじめましてAです

今は彼氏の洸くんを仕事に送り出して掃除をしているところです

『ん？…これって…』

(回想)

る『あ〜遅刻や！着替えと楽譜と、財布にスマホ』

『忘れ物なーい？』

る『1番必要な着替えは持ったから大丈夫！』

(回想終了)

『あぁぁぁ！これ着替えじゃん！1番必要って言ってたよね！』

仕事が始まるのは12時半と言っていたはず

今の時間は…8時！大丈夫だ！余裕で間に合う

そうと決まれば電話しよ

ﾌﾟﾙﾙﾙﾙﾙﾌﾟﾙﾙﾙﾙﾙ

る『もしもし〜？』

『洸くん！着替え忘れてったでしょ！』

る『え…？』

電話の向こうでガサゴソとカバンを漁る音が聞こえる

る『ほんまや！ない！』

『あ〜もう持ってってあげるから仕事場の住所教えて』

る『ごめんなぁありがとう』

電話を切るとすぐに住所が送られてきたのでマップアプリに登録する

『ライブ会場…？』

洸くんスタッフの仕事でもしてたのかな…？

まぁ何はともあれ車を走らせて目的地に到着

もう一度電話をすると裏入口から入れと言われたのでスタッフさんらしき人に事情を話して入れてもらう

ス『ここです！では失礼します』

『ありがとうございました』

スタッフさんに案内された部屋の看板(？)みたいなのを見ると『ひきフェスメンバー控え室』と書かれていた

『メンバー控え室…？』

不思議に思いながらも扉をノックする

コンコンッ

？『は〜い？』

ｶﾞﾁｬｯとドアが開いて赤髪の怖い見た目の男の人がでてきた

一瞬怖くてﾋﾞｸｯと身体を震わせてしまった

？『どうされました？』

『あの…洸くんの忘れ物を届けに…』

？『洸くん…洸くん…あぁ！luzのことですか』

『る、luz？』

る『あぁぁぁ！Aごめぇぇぇぇん』

頭にはてなを浮かべていると洸くんがｶﾞﾊﾞｯと抱きしめてきた

『重い"ぃ…苦"しい…』

る『あ、ごめんごめん』

そう言って離されたのを見計らって着替えの入ったトートバッグを渡す

『はい、忘れ物』

？『ぷっあっはっはっはwwもしかしてluzついに衣装忘れたの？ww』

突然笑い出す声の主を思わず二度見した

その低い艶のある声からは想像もつかない程の美少女がそこに立っていたからだ

……To be continued