届かないキモチ two* ［ SZ Shori ］

48　最低な人 ページ18

なんで、居んのよ…

　なんで、笑ってんのよ…


　「あ、俺中島健人。」


　A「…生田Aです。」


　
　お姉ちゃんと一緒の三年生なんだろうな…


　健人「…なんで、昨日見てたの？」


　A「え…」


　健人「昨日さ、俺たちのシテるとこ見てたでしょ？」


　ｶﾁﾝ


　今の健人先輩の言葉にｲﾗｯと来た…


　A「俺たち？…笑わさないでよ！」


　健人「…え？」


　A「お姉ちゃんは付き合ってる人が居るのｯ！大好きで大好きでたまらない人が居るの！」


　健人「…」


　A「…謝ってよｯ」


　健人「は…？」


　A「お姉ちゃんに謝ってよｯ…」


　どうせ、健人先輩が無理やり
　お姉ちゃんを抱いたんでしょ？


　最低、最低、最低。


　健人「…勘違いしてね？」


　A「は…？」


　健人「俺は自分から誘わない。」


　…嘘言わないでよ。


　健人「優から言って来たんだよ？「なにもかも忘れるくらいに抱いて」って。」


　…え？


　A「…何言ってんのｯ？」


　ｺﾄﾝ


　屋上にある一本の棒が落ちた。


　勝利「…ｯ」


　…え


　A「…勝利!?」


　…嘘、なんでｯ


　勝利「…皆俺に嘘ついてたんだなｯ」


　A「え…」


　勝利「優だってAだって。俺に嘘ついてたんだな…」


　…ちがう、私は守ったの。


　二人を守ったの。


　健人「…」


　こんな状況なのにあいつだけは
　笑ってたなんて…

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