この手、ぎゅっとつないで (ページ8)

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忘れものに蓋をしてページ8

「_____」

走った先に目にしたのは、信じられない光景だった。

琲世さんと、戦っている______

「………政、道？」

「……！！」

私の声に応じて、“彼”はこっちを向いた。

黒いローブから顕になる顔は私の知ってる政道とは違くて、血飛沫が飛び散った白い肌と髪。

……でも。

「……A ひさしぶりだねェ」

その声色がなにより彼が政道だということの証明だった。

認めたくない、認められない。信じられない。

なに？なにがおきてるの？

どうして政道が生きてるの？

どうして、喰種になってるの？

「髪、のびたねえ……美人サンになっちゃって」

「なん、で……？」

混乱してる。理解できない。

「こいつはもういいや」

そう吐き捨てて政道はぼろぼろになった琲世さんをひょい、と高いところから投げ捨てた。

「は、琲世さんっ！」

琲世さんのもとへ駆け寄ると___政道も驚く速さで着地して、阻止された。

「ど…して、」

私が零すと、政道は不愉快そうに目をしかめた。

「……なあA

使えるんだろ？“赫子”」

「…！！」

どうして、それを知ってるの…？

「ヒヒッ、やっぱそーか……

見せてくれよ、お兄ちゃんと遊ぼうぜ」

政道の赫眼が、ぴしりと光った。