この手、ぎゅっとつないで (ページ38)

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激昂としらない盾ページ38

「____思い、出した

私は、貴方を、知ってる」

「……ほう？
顔をよく見せてみろ」

どうやら身に覚えのないドナートに促され、ゆっくりと顔を上げる。

「…赤い瞳黄色く明るい髪その顔立ち……

___ああ、思い出した」

身構えて待つ次の返答は、私を激昂させるには充分だった。

「あのとき絞め殺したふたつの老体の孫か、きみは」

「…………は、」

いま

なんて

言った？

「しめ、絞め、え？」

身体中を悪寒が駆け巡る。

「確かあの二人が訪ねたのは…孤児院の子どもを喰った後だったか
老躰など不味くて喰えたものではないからな、口外されないよう丁寧に絞め殺したさ」

______震えが、とまらない。

「(___そういえばパパもママも、
おじいちゃんとおばあちゃんが同時に庭で息絶えたなんておかしいって、言ってたっけ)」

全てのピースが埋まったのに、奥底からふつふつとなにかが滾ってきてまともに考えられない。

いまのわたしにできることは、

「政道」

「…ほう」

アタッシュケースに顔を近づけ、起動させた。

「力を、かして」

怒りかさえもわからない感情に任せて、戦うのみ。