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とんでもないことを思い出してしまった。
なんと明日は入社式やら新入社員の案内やらで予定がいっぱい。
うちの営業部にも2,3人ほど新卒の子が来るらしい。
私達は新人の教育を任されているので責任重大だが、多分克樹は忘れているだろう。
明日の朝電話で叩き起こしてやらないとな。
「その新入社員ってさ、男もいるの？」
「…なに、嫉妬？(笑)」
「だってA可愛いから心配なんだもん」
「んもう！恥ずかしいじゃん！」
顔を赤くしてはにかみながら運転をしている琳寧。世界で一番かっこいい。
こんなにかっこよくて誰よりも優しくて、しかも、こんな私にでも嫉妬してくれるだなんて、可愛すぎる。私が琳寧以外を見るはずがないのに。
「ねえA、こっち向いて？」
「ん？どうしたの？」
「…ん、」
信号が赤になったタイミングで車を一時停止させ、こちらを向いた琳寧は私の唇に優しくキスをした。
後ろには克樹も乗っているのに恥ずかしい。寝てるからきっと見てないだろうけど。
「よし、明日からも頑張ってね」
「…琳寧の馬鹿、」
「あっはは！馬鹿は酷いでしょ！(笑)」
「……」
どうしても負けたくなくて、両手で琳寧の頬を挟むと、もう一度キスをした。
琳寧も今度は不意打ちだったみたいで、「ずるいのはAも一緒だよ…」と顔を赤くしていた。
信号が青になり、車が進み始めてからは、克樹を家に送り返すまで琳寧はずっと私の手を握ってくれていた。
大学生の頃からスキンシップが多かった琳寧は、今でも沢山甘えてくることがある。
もちろん可愛い琳寧も大好きだから沢山甘やかしてあげる。
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その後、克樹の家に着いてからは、琳寧に協力してもらいながら何とか部屋に投げ込んだ。
起きる気配がないので、ジャケットだけ脱がせてそのままベッドに放り込む。
すやすやと眠る克樹の寝顔を見た琳寧は、「こんなイケメンがモテないとか…不思議な世の中だね」と呟いていた。
たしかにそうだ。酒は弱いし超ネガティブな克樹だけど、仕事はできるし、ルックスも贔屓目なしでいいほうだと思う。
…まあ正直、私からすると「頑張れ」としか言いようがない話なんだけど。
その後、そそくさと帰宅した私たちは、「克樹 起こす」とメモをつけたアラームをセットし、すぐに眠りについた。
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続く (更新停止中)
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作者名：浅漬け | 作成日時：2021年1月15日 0時
