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そもそも、克樹がこんなにも恋愛や結婚について考えるようになったのにはちゃんとした理由がある。
ここ1ヶ月で、同僚が2人も結婚したのだ。
しかも、そのうちの片方は女性で、そのまま寿退社。
お相手は将来有望な医者らしい。
「花嫁修業してた甲斐があったよ〜！」とルンルンで会社を辞めていった。
上司が結婚…とかならまだ純粋にお祝いできるけど、同僚となると「自分もそろそろその時が来てもおかしくないのでは…？」というふうに考えてしまう。
実際Aだって結婚間近な訳だし。
克樹には恋人なんて居ないし、候補だってもちろん居ない。
ペットを飼おうか悩んだこともあったが、ペットを飼ってしまったら終わりだとどこかで聞いたことがある。
「この子がいるから恋人なんていらないや〜」という考えになってしまうことがあるかららしい。それは確かに怖い。
そんなこんなで、周りの結婚ラッシュに耐えられなくなった克樹は、自分も結婚がしたい！と強く願うようになった。
結婚できないにしろ、せめて人生で1度くらい彼女が欲しい。このまま一生童貞だなんて涙が出そうになる。
目標は30になるまで…と言いたいところだが、それだと何年もあるので絶対に甘えてしまう。
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目標は、Aが結婚するまでに…だ。
これは克樹の勝手な予想だが、Aは絶対に1年以内に結婚をすると思われる。
雰囲気がもう「ゴールイン間近です！ｷﾗｰﾝ」と言っているようなもの。
「ｷﾗｰﾝ」までしっかりと読み取れる。
俺は、それまでに絶対に恋人を作ってみせる。
克樹はそう心に決めて、ビールを1杯注文した。
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作者名：浅漬け | 作成日時：2021年1月15日 0時
