Past. ページ8
『...ねえ、ふっか』
「なに?」
高校2年生の冬。貴重な休日休み、俺はまたAといる。
ただ、ユニットに入ったからAの家で。
ソファに並んで座っていたら、Aが真剣なトーンで話しかけてきた。
『辰哉さ、私に隠してることあるよね』
「え...?」
隠してること...アイドル、やってることかな。それしか思い当たる節はない。
別に隠してるつもりでもないんだけど。
「...アイドル、やってること?」
『うん。なんで言ってくれなかったの?』
「なんでって......」
『アイドルなんだから、恋人関係とかちゃんとしなきゃだめじゃん』
...やっぱり。
「...そう言われると思ったから言わなかったんだよ」
『だって...撮られたら』
「それはちゃんと気をつける。だから別れるとかやめてよ」
『...分かった』
「...っていうか、なんで俺がアイドルやってるってわかった?」
『辰哉、最近異常に休みないし。あとは、友達が渡辺さんのファンで、グループを見せてもらった時に辰哉がいたから』
「なるほどね」
アイドルってことを隠さずに早い段階で伝えていれば、Aはそばにいてくれたのかな。
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作者名:きら | 作成日時:2024年1月23日 11時